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【連載】球音二重奏 センバツ県チーム紹介 明豊<下>昨年の屈辱を糧にし

大悟法監督が信頼を寄せる今宮(右)と野口の2枚看板で大会に臨む明豊 ●悪夢が訪れた

 明豊の誇る2枚看板の1人、右腕今宮健太(3年)にとって忘れられない瞬間がある。

 昨年の選抜。下級生ながらエースナンバーを背負い、打順も1番。チームの柱として臨んだ初戦2回戦の相手は、前年優勝校の常葉学園菊川(静岡)。2‐1とリードして迎えた5回表の守備。悪夢の瞬間が訪れた。

 同点に追いつかれた直後、1死二塁から相手打者を投ゴロに打ち取った。ところが、焦った今宮はここで三塁へ痛恨の悪送球。このエラーを機に勝ち越しを許すと、その後は1度もリードを奪えずに敗れた。

 「悪送球もそうだが、次の回に四球で走者を出し点を許してしまった。一番してはいけないことが続いた」と今宮。「感情の起伏がプレーに出てしまった。それが甲子園というところ」と大悟法監督も振り返る。

 ●鍵は「平常心」

 1年前の苦い経験は必ず生きると大悟法監督は考える。「忘れたい経験かもしれない。でもその悔しさを忘れてはいけない。選手たちにはそのときのVTRをできるだけ見なさいと言っている。敗戦は教えように教えられない経験だから」

 その昨年の選抜で2安打を放ちながら勝利に結び付けられなかった主砲河野凌太(3年)も雪辱を期す。「打っても勝てなかった。『ならばチーム打撃』と思い詰めたあまり、夏は空回りすることが続いた。そして新チームになり『普段通りに打てば結果は出る』との考えにたどりつきました」

 大悟法監督が「(94年夏に)柳ケ浦で夏の大会4強に入った当時と遜色(そんしょく)ない」と評価するのはバッテリー。今宮と左腕野口昂平(3年)の2枚看板と捕手の阿部弘樹主将(3年)。秋以降県内では無敵のチームを引っ張る。

 「あとはいかに力を出し切るか」。上位進出の鍵は、平常心だ。

 ●猛練習で充実

 自分たちの力を発揮するためには何が必要か。「選手自ら考え、動くこと」と監督は言う。選手に練習メニューを考えさせることもある。

 選抜出場が決まった2月。ナインは集中力を高めようと100本連続ノーエラーを目指すノックを志願した。だが監督の答えは「ノー」。連続120本無失策を求めた。

 80本ぐらいまでは順調にいく。だが、そこから先が遠い。集中力が続かず思わずお手玉。また一から出直しだ。約1週間かかって達成した時には、選手全員がガッツポーズを見せた。

 大悟法監督は「甲子園は100%の力を出さずに勝てるような場所ではない。だから本番で100%を出すために、練習では120%を求めたんです」と言い切る。

 昨年の屈辱を胸に臨むナインは、猛練習で培った平常心で上位進出を狙う。
(この連載は室中誠司が担当しました)

【写真説明】大悟法監督が信頼を寄せる今宮(右)と野口の2枚看板で大会に臨む明豊

=2009/03/19付 西日本新聞朝刊=


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