福大大濠、全員野球全う 東海大福岡、粘り見せた

アルプス席の前へあいさつに来た福岡大大濠ナインに拍手を送る応援団
アルプス席の前へあいさつに来た福岡大大濠ナインに拍手を送る応援団
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「よくやったぞ」。スタンド前であいさつする選手たちを拍手で迎える東海大福岡の応援団
「よくやったぞ」。スタンド前であいさつする選手たちを拍手で迎える東海大福岡の応援団
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 県勢2校の快進撃はベスト8で止まった。29日の第89回選抜高校野球大会の準々決勝で、福岡大大濠(福岡市)は報徳学園(兵庫)に3-8、東海大福岡(宗像市)は大阪桐蔭(大阪)に2-4で、それぞれ敗れた。4強を懸けた舞台に、再試合を制して立った大濠と、優勝候補の一角の早実(東京)を撃破して駆け上った東海大福岡。春の甲子園に歴史を刻む熱戦を演じ、力尽きた両チームの球児たちに、アルプス席からも地元福岡からも惜しみない拍手が送られた。「君たちの活躍を忘れない」

 前日の28日に2回戦の引き分け再試合を制し、春の甲子園では初の8強入りを果たした福岡大大濠は、最後まで甲子園を沸かせた。

 3試合で計475球を投げ抜いたエース三浦銀二投手(3年)はこの日、ベンチスタート。先発する徳原世羅投手(2年)に「何も考えず腕を振って投げてこい」と助言した。アルプス席の徳原選手の母美佐さん(46)は「甲子園のマウンドに立てるだけで幸せ」と感謝した。

 一回裏、報徳学園に盗塁を絡めて1点を奪われた。この回途中から西隼人選手(2年)が救援し、後続を断った。野球部員の井上湧太郎さん(2年)は「西は中学で投手だったけど、高校ではあまり投げていない。よく1点で抑えた」とほっとした表情を見せた。

 ただ、じりじりと点差を広げられていく。それでもナインも応援団も決してあきらめない。大濠は五回表に1点を返し反撃開始。六回には斎藤友哉二塁手(3年)などの3安打で1点。七回にも3連打で1点を挙げ、追い上げムードが高まった。スタンドの吉柳夏鈴(かりん)さん(17)は「逆転を信じています」と祈った。

 しかし八回にも追加点を許し、粘り及ばずゲームセット。「銀二が投げられない分を、みんなで補ってくれた」。三浦投手の母礼子さん(48)は全員野球を全うしたチームをたたえた。

 「ありがとう」。26年ぶりの春の舞台で躍動した選手たちに、スタンドからは感謝とねぎらいの言葉が飛んだ。

   ◇    ◇

 春夏通じて初の8強入りを果たした東海大福岡は、この日も強豪を相手に一歩も引かない戦いを見せた。

 安田大将(だいすけ)投手(3年)はテンポのいい投球で序盤は大阪桐蔭に決定打を与えなかった。スタンドでマウンドを見守った父一俊さん(48)は「みんなが守ってくれるから、いつも通りの立ち上がりができている」。

 五回裏、大阪桐蔭に1点先取される。だがスタンドの野球部員は「先行されるのはいつもと同じ。ここからです」と動じない。だが七回裏に2点を追加され、重苦しい雰囲気が漂う。

 何度も劣勢をはね返し、終盤に「ミラクル」と呼ばれる勝利を収めてきた東海大福岡は、このままでは終わらない。八回表、2死ランナーなしで、大鶴悠斗選手(同)が気迫のスライディングを見せ内野安打。守備位置を争う清水雄大二塁手(同)から「俺の分も頼む」と試合前に声を掛けられ「とにかく出塁しようと、がむしゃらだった」。

 北川穂篤(ほずみ)捕手(同)が四球を選び、遠藤秀斗(しゅうと)左翼手(同)の二塁打で2点を返すとスタンドは一気に押せ押せムードになった。

 しかし八回裏に追加点を許し、最終回の追い上げもならなかった。遠藤選手の父雄一さん(50)は「悔しい」と目頭を押さえ「4番の最低限の仕事はしてくれた。家でゆっくりさせてあげたい」と気遣った。北川選手の母伊津子さん(45)は「スター選手のいないチームがよくやってくれた」と、たくましく成長したナインをいつまでも見つめた。

=2017/03/30付 西日本新聞朝刊=

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