センバツ九州から5校出場

選抜大会出場の決定を受け、決意を語る伊万里高の犬塚晃海主将(中央)=26日午後、佐賀県伊万里市
選抜大会出場の決定を受け、決意を語る伊万里高の犬塚晃海主将(中央)=26日午後、佐賀県伊万里市
写真を見る
「出場おめでとう」と東筑高の石田旭昇投手(右)とハイタッチする長野順子さん=26日午後、北九州市八幡西区
「出場おめでとう」と東筑高の石田旭昇投手(右)とハイタッチする長野順子さん=26日午後、北九州市八幡西区
写真を見る

 選抜高校野球大会(3月23日開幕)の出場校を決める選考委員会が26日にあり、九州地区から21世紀枠の伊万里高や東筑高など5校が選ばれた。春夏通じて甲子園初出場の伊万里高は、佐賀県伊万里市が2013年に「『目指せ!甲子園』プロジェクトチーム(PT)」を発足させるなど地元の後押しが奏功した。夏春連続出場の東筑高には、3月末に閉店予定の理髪店を北九州市八幡西区の学校そばで営み、球児たちに「お母さん」と慕われる理容師が必勝のエールを送った。

■地元と一体伊万里宿願 初甲子園 市がプロジェクトチーム

 感無量だった。甲子園出場決定の一報から約30分後。学校に到着した塚部芳和市長(68)が顔を紅潮させながら、野球部の保護者や関係者の手を握りしめた。同校OBでありPTの発案者。「夢が現実になった」と興奮を隠せなかった。

 契機は伊万里商高が2006年春、伊万里農林高が09年夏にそれぞれ甲子園初出場を果たしたことだった。ともに初戦敗退だったが、人口約5万5千人の伊万里市民は沸いた。同市は「甲子園出場」を合言葉に地域活性化につなげたいとの思いで、13年5月に伊万里商工会議所や同市観光協会と協力してPTを発足させた。

 有力選手の県外流出を防ごうと、社会人野球チームの西部ガス(福岡市)も招待。小中学生に野球教室を開き、昨夏には小学生を甲子園で観戦させた。現在、伊万里高の主力を担う2年生も「1期生」として中学1年から参加した。捕手の梶山勇人選手(2年)は「高いレベルの技術に触れたのが刺激になり、もっと大きな舞台を目指すようになった」と振り返る。吉原彰宏監督(42)は「PTがきっかけとなって高校でも地元で野球をしようと思う子が増えた」と感謝した。

 伊万里高には市内の学校で甲子園初勝利の期待もかかる。市の甲子園プロジェクト係担当の西尾義久さん(44)は「ぜひ1勝を」と願い、塚部市長はチームの遠征費などを支援するため約500万円の拠出を同市臨時議会で提案する考えを示した。「伊万里の皆さんのために勝つ姿を見せたい」。犬塚晃海主将(2年)は誓った。

■東筑「球児の母」歓喜 理容師・長野さん 3月で閉店 惜別の丸刈りでエール

 東筑高(北九州市八幡西区)が初の夏春連続甲子園出場を決めた26日、野球部員たちと30年以上交流を続け、「お母さん」と慕われる理容師の長野順子さん(69)は、心から吉報を喜んだ。高校そばで約40年経営する「きよみ理容館」は、区画整理に伴い3月末で現地での営業を終える。長野さんは「どこにも負けない丸刈りで東筑球児を送り出します」と笑顔で語った。

 出場決定後の練習が終わった午後7時半すぎ、球児たちが続々と理容館を訪れた。「おめでとう。よくやったね。応援に行くけんね」。長野さんはいつものように、全員とハイタッチして激励した。

 「いつも温かく迎えてくれる」。エース石田旭昇(あきのり)投手(2年)は「お店は(3月で)最後。お母さんのため、春は校歌を歌えるよう頑張る」と勝利を誓った。

 野球部との交流は、1987年春にさかのぼる。当時の主将の来店がきっかけで、球児たちも訪れるようになった。その夏には甲子園にも出場。長野さんは以来、毎年野球部への差し入れを欠かさず、大舞台が決まれば無料で散髪をするなど支えた。

 「きよみに集合」は、東筑球児の合言葉。恋の相談に来た部員も多数いる。卒業後も交流は続き、閉店を聞いたOBは昨年12月、ホテルで慰労会を開いた。

 「東筑球児との出会いは人生の宝物」と胸を張る長野さん。30年以上の間、球児たちからもらったたくさんの思い出を胸に、甲子園で「自慢の息子たち」の勇姿を見届ける。

=2018/01/27付 西日本新聞朝刊=

ボートレース 直前チェック予想 これを買え!

西日本新聞のイチオシ [PR]

ソフトバンクホークス選手の写真販売中!

西日本新聞のイチオシ [PR]