三段跳び山本凌雅 “最古”の日本記録に最も近い男

海外での武者修行に意欲を示す山本
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10月、JAL初のアスリート社員として内定式に出席した山本(左)と短距離女子の土井杏南(右)
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 “最古”の記録を破れるか-。陸上の五輪実施種目で最も古い日本記録が残る男子三段跳び。1986年に山下訓史が17メートル15の日本新を樹立したのを最後に31年も破られていない。この記録に最も近づいているのが順大4年の山本凌雅(長崎県諫早市出身)だ。4月に日本歴代6位の16メートル87を記録しロンドン世界選手権に出場。ユニバーシアード大会では銅メダルを獲得した。来春から日本航空(JAL)で初のアスリート採用社員として働く22歳が、目標に掲げる東京五輪でのメダルへ飛躍を目指す。

■海外での経験 必要と痛感 武者修行視野に

 東京五輪でのメダル獲得に向けて、何としても越えておきたい「壁」がある。山本がターゲットに据えるのは、現在の陸上五輪実施種目では“最古”の日本記録だ。「更新しなければ自信にもつながらない。まずは日本記録をクリアすることが来季の目標」。秘めた闘志を胸に、黙々と冬季練習に励んでいる。

 初出場だった8月の世界選手権では16メートル01。自己ベストに遠く及ばず29位に終わった。「憧れの方が強く、『勝ってやろう』という気持ちが出てこなかった。勝負にいくという気持ちじゃなかった」。シニアで初の世界大会で雰囲気にのまれたことを悔やむが、経験を無駄にはしない。「海外の選手はスパイクを履いただけでほえていた。そういうヤツが強いし、記録にもつながる。気持ちを出していかないといけない」と胸に刻んだ。

 長崎・諫早農高3年時の2013年に、高校生で初めて16メートルを超え16メートル10をマーク。順大でも着実に記録を伸ばし、見えてきた日本記録についても「今年跳べた力はあった」と振り返る。だからこそ、自分に必要なものも分かっている。「(海外に)出ていきたい。そういう経験の方が大事だと感じた」として、来年は海外での“武者修行”も視野に入れる。

 今年は大きな刺激もあった。10月に福井で行われた日本学生対校選手権で、同学年で仲のいい桐生祥秀(東洋大)が男子100メートルで日本人初の9秒台となる9秒98をマーク。山本は会場でその歴史的快挙を目の当たりにした。「自分も来年は、って気持ちになる」と意欲は高まっている。

■かつてのお家芸 3大会連続 日本人V種目

 春からはJALで同社初のアスリート社員として働きながら競技を続ける。「JALの名前も自分の名前も競技のことも知ってもらいたい」。男子三段跳びはかつて、1928年のアムステルダム大会から五輪3大会連続で日本人が制したお家芸だ。九州生まれのジャンパーが日本記録を塗り替えて、東京で再び歴史の扉を開く。 (伊藤瀬里加)

■22歳長崎県出身

 ◆山本凌雅(やまもと・りょうま)1995年7月14日生まれ。長崎県諫早市出身。同市の湯江小6年で陸上競技を始める。中学では110メートル障害で活躍し、三段跳びには諫早農高2年から本格的に取り組む。3年時の東京国体で高校生初の16メートル超えとなる16メートル10をマーク。順大での成績は1年時に世界ジュニア7位、アジア大会8位など。178センチ、66キロ。

=2017/12/08付 西日本スポーツ=

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