地元遺産へ誘う

【推し遺産⑤】しゃもじが悩み”救う” 大分・羅漢寺

-推薦人 写真家・藤田洋三さん(63)-
しゃもじが悩み”救う” 大分・羅漢寺

願い事が書かれたしゃもじが並ぶ羅漢寺

しゃもじが悩み”救う” 大分・羅漢寺
 羅漢寺(中津市)には、天然の洞窟に五百羅漢が安置された「無漏窟(むろうくつ)」があり、参拝者がしゃもじに願い事を書き、柱などに打ち付けていく。約30年前、しゃもじがひしめく洞窟を写真に収めた。願いが降り積もった庶民信仰の象徴。しゃもじには「ご飯をすくう」から転じて「救う」という意味があるらしいが、僕は「飯を食う」というのは、生きることを象徴していると思う。
 写真は2007年に作品集に収録し、「世間遺産」を提唱した。モノの価値は、誰かにお墨付きをもらう必要はなく、自分で決めるもの。大切だけど曖昧な何かに「世間遺産」という名がつくと、身近な建造物や環境の価値をあらためて実感できる。

memo 645年に法道仙人が入山したのが起源。3700体超の石仏が安置されている。曹洞宗。無漏窟のしゃもじは100年ほど前に始まったと考えられ、大みそかにおたき上げされる。

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