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震災関連死

 避難生活での肉体・精神的疲労による体調悪化など、間接的な原因で死亡すること。遺族が申請し、市町村が医師らでつくる審査会に諮るなどして認定する。災害弔慰金支給法により、遺族に最大500万円が支給される。認定基準が曖昧で、各地で自治体を相手に訴訟も起きている。

2017年06月21日更新

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震災関連死、自治体の半数が死因非公表 「遺族の意向」理由に 熊本地震

 熊本地震で震災関連死を認定した20市町村のうち、11の自治体が死因を明らかにせず、対策を模索する医療関係者の障壁になっている。非公表の自治体は「遺族の意向」として個人情報に配慮するが、弔慰金には公金が充てられることもあり、識者は「公共性が高い情報だけに、市民と共有すべきだ」と指摘する。

 関連死は20日現在、熊本、大分両県で計181人。熊本県は熊本市66人、益城町20人、阿蘇市18人などで、大分県では由布市が3人を認定している。大半が年代や性別、死亡時期は明らかにしているが、死因は過半数が非公表だ。

 理由は「遺族に公表できるか判断してもらった」(阿蘇市)「遺族に配慮し、自治体で判断した」(益城町)などが多い。ある担当者は「小さな自治体では個人の特定が容易で、お金をもらったと批判されるのを心配した」と説明する。「死因を公表することで『それならうちも同じ病気』と申請が増えるのを警戒したのでは」(関連死に詳しい専門家)との見方もある。

 被災地で口腔(こうくう)ケアに取り組む福岡県歯科医師会の太田秀人さんは、口内の細菌との関連が指摘される肺炎の件数に関心を寄せる。「専門家が口腔ケアをした市町村で肺炎の死者が少なければ、避難所で口腔ケアを重視した対策が取れる。関連死は対応次第で救える命だ」と検証の意義を語る。

 過去の震災で関連死を分析した徳島大の西村明儒教授(法医学)は、阪神大震災ではストレスの影響、新潟県中越地震ではエコノミークラス症候群が問題となり、対策につながったと指摘。「遺族が申請しない例もあってエビデンス(科学的根拠)に限界はあるが、災害ごとに検証し、報道することで市民に理解が広がり、新たな犠牲を減らすことにつながる」と話した。

【ワードBOX】震災関連死

 避難生活での肉体・精神的疲労による体調悪化など、間接的な原因で死亡すること。遺族が申請し、市町村が医師らでつくる審査会に諮るなどして認定する。災害弔慰金支給法により、遺族に最大500万円が支給される。認定基準が曖昧で、各地で自治体を相手に訴訟も起きている。

=2017/06/21付 西日本新聞朝刊=

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