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非常電源の点検報告

 消防用設備を備える延べ面積千平方メートル以上の特定防火施設には、自家発電設備などの非常電源の設置が必要。自家発電設備については点検を年1回、負荷運転によって行う基準が1975年に消防庁告示で定められた。消防庁は「負荷運転は法令上の義務」と説明。点検結果は消防法に基づき消防署長に報告しなければならない。特定防火施設とは不特定多数が出入りする病院やホテル、商業施設、地下街など。

2017年11月19日更新

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高額費用が点検の重荷に 非常電源の負荷運転

 災害時の備えとして、非常電源(自家発電設備)の維持管理のために義務付けられている「負荷運転」。多くの施設が敬遠する背景には、高額の費用がかかることや営業面の制約が大きい事情がある。消防庁は負荷運転の指導強化に乗り出す一方、点検方法自体の見直し論議も進めているが、消防行政が二転三転すれば現場の混乱も懸念される。

 消防庁によると、負荷運転には(1)商用電力から消防用設備への電力供給を止め、非常電源から送電して運転状況を確認する「実負荷運転」(2)建物を停電させず、疑似負荷装置に非常電源をつないで送電し運転状況を確認する「疑似負荷運転」-の二つの方法がある。

 建物の規模などにもよるが、(2)の費用は数十万円から百万円以上かかる。福岡市の非常電源の点検業者は「高額なスプリンクラーなどを設置しても、停電で動かなければ役立たない。その意味で非常電源の維持管理は重要だが、施設のオーナーや経営側はコストをかけることに後ろ向きだ」と説明。(1)についても、建物を停電させなければ実施できないケースがあり、人の出入りが多い施設は消極的という。

 消防庁は一方で、大学教授や全国ビルメンテナンス協会などから意見を聞き、負荷運転に代わる別の点検方法の検討にも乗り出している。担当者は「難しい点検を求めすぎているという声もある。あくまで停電時にきちんと動く維持管理が目的であり、経済的にも合理的な点検方法を早急に示したい」と説明。この動きを福岡市議会で取り上げた篠原達也市議は「点検費用の負担が緩和され、点検実施率が上がるのなら好ましい」と評価した。

 ただ、指導を強化した直後に方針変更すれば、負荷運転の実施に動いた施設側から不満の声が上がる可能性もある。消防用設備の設置や点検を担う福岡市消防設備士会の竹本卓点検部会長は「指導方針が変われば対応するしかないが、現場が混乱しないよう実情に即した制度にしてほしい」と語る。

【ワードBOX】非常電源の点検報告

 消防用設備を備える延べ面積千平方メートル以上の特定防火施設には、自家発電設備などの非常電源の設置が必要。自家発電設備については点検を年1回、負荷運転によって行う基準が1975年に消防庁告示で定められた。消防庁は「負荷運転は法令上の義務」と説明。点検結果は消防法に基づき消防署長に報告しなければならない。特定防火施設とは不特定多数が出入りする病院やホテル、商業施設、地下街など。

非常電源の点検義務が形骸化 病院やホテル…災害時の“命綱” 未実施でも行政黙認か

=2017/11/19付 西日本新聞朝刊=

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