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苦海浄土

 1960年代に雑誌「サークル村」や「熊本風土記」などで連載された水俣に関する一連の作品群が、69年に「苦海浄土 わが水俣病」として講談社から刊行された。続編の「神々の村」「天の魚」と合わせ、3部作として完結。ノンフィクションやルポルタージュではなく、作者の石牟礼道子さんが現地で見聞きした水俣病事件を文学的に表現した創作とされる。
 石牟礼さんは熊本県・天草で生まれ、生後すぐ水俣市に移住。水俣病の公式確認から間もない59年ごろから、患者が多発する漁村地帯を訪れた。かつて「魚(いお)湧く海」と呼ばれた不知火海の沿岸部を舞台に「奇病」に見舞われた漁師の家族、その後関わった運動などを、方言を生かした語り口と独特の文体で表現。前近代と近代、漁民と企業などの対比を鮮やかに描いた。

2017年11月25日更新

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