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内密出産制度

 ドイツで2014年に施行された妊産婦支援の制度。妊娠を周囲に知られたくない女性が相談機関に実名を明かした上で、医療機関では匿名で出産する。子は原則16歳になると、出自を知ることができる。ドイツでは以前から「赤ちゃんポスト」の設置や、匿名のままの出産を受け入れる仕組みがあったが、子どもの「出自を知る権利」を保障するため、内密出産制度が設けられた。

2017年12月16日更新

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匿名出産の受け入れ検討 赤ちゃんポストの慈恵病院 成長後に出自知る権利

 親が育てられない赤ちゃんを匿名で預かる「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を運営する熊本市の慈恵病院が、妊婦が匿名で出産し、生まれた子が一定期間後に出自を知ることができる「内密出産」の受け入れを検討していることが15日、分かった。来年1月から熊本市など関係機関と法整備などに向けた協議を開始する方針。

 望まない妊娠に悩む女性が受診せずに自宅などで出産し、母子の生命が危険にさらされるのを防ぐ狙い。内密出産はドイツなどで制度化され、子どもが出自を知る権利も保障される。

 慈恵病院の案では、内密出産を希望する母親の名前を封筒に入れて公的機関に預けて匿名性を確保。子どもは特別養子縁組した先の家庭で育ち、家庭裁判所などの判断で封筒を開封するか決めるという。

 慈恵病院のゆりかごは、開設した2007年5月から17年3月までに130人を受け入れた。うち自宅出産は58人で、母親の身元が分からないままの子は26人いることが分かっている。

 ゆりかごを検証する熊本市の専門部会は今年9月、自宅出産の危険性や、「子どもの権利条約」が定める「出自を知る権利」に抵触するなどの課題を指摘。委員の一部から内密出産制度を評価する声が上がり、市は厚生労働省に同制度に関する法整備の検討を要望した。

 ゆりかごでは母親の身元が分からない場合、市長が名付け親となって子1人の戸籍を作り、その後、特別養子縁組をした場合には養親の戸籍に入れる形を取っている。ただ、母親が分かっている内密出産で同様の運用が認められるかは不明。慈恵病院の蓮田健副院長は「制度整備が不可欠で、実際に内密出産を始めるには時間がかかる」という。熊本市は「法制度が整っていない現段階では、一自治体や病院だけの判断で始められるものではない」としている。

【ワードBOX】内密出産制度

 ドイツで2014年に施行された妊産婦支援の制度。妊娠を周囲に知られたくない女性が相談機関に実名を明かした上で、医療機関では匿名で出産する。子は原則16歳になると、出自を知ることができる。ドイツでは以前から「赤ちゃんポスト」の設置や、匿名のままの出産を受け入れる仕組みがあったが、子どもの「出自を知る権利」を保障するため、内密出産制度が設けられた。

=2017/12/16付 西日本新聞朝刊=

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