
1951年にサンフランシスコ平和条約とともに締結、60年に改定された。5条で日本が武力攻撃を受けた場合に日米両国が「共通の危険に対処する」と規定し、米国の日本を防衛する義務を明示している。6条では「日本国の安全に寄与し、ならびに極東における国際の平和および安全の維持に寄与するため」日本国内に米軍基地を置くことを認めている。
(2010年1月19日掲載)
日米安全保障条約が19日、改定の署名から50年の節目を迎える。日本の安全保障と経済発展を支え、冷戦後も、アジア太平洋地域の平和と安定に寄与してきたと評価する声は多い。その一方、同盟関係を背景にした自衛隊の海外派遣などをめぐる「対米追従」批判もなされてきた。米国との対等な関係構築を目指す鳩山政権の誕生で、日米同盟は新たな局面に入ったが、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題では同盟関係にきしみも生じている。安保政策に詳しい民主党の長島昭久防衛政務官、自民党の石破茂元防衛相に日米安保条約の功罪などについて聞くとともに、日米同盟の歩みと今後の展望を探った。
●信頼の上に立つ対等性 防衛政務官 長島昭久氏
−日米安保条約の役割をどう分析するか。
「敗戦後、日本の独立と安全を守るためには、米国に寄り添うしかなかった。米国にとっても、戦後復興を遂げて、経済的にも大きくなっていく日本と同盟関係を結んでいることは、国際政治を動かしていく上で利益があった。両国にとって最良の選択だったと思う。一方で、負の面もある。対米依存といわれるような考え方が日本側に残った。また、在日米軍基地周辺の住民だけに騒音や危険性などの負担を背負わせたままだ。そこが、日米同盟の構造的な不安定要因になっている」
−普天間問題の混乱などで、日米関係が不安視されている。
「米国が懸念しているほど鳩山政権は反米ではない。われわれは緊密で対等な日米同盟を掲げているが、前政権からの継続性はあると思ってる。ただ、緊密性よりも、地位協定の見直しや基地負担の軽減など対等性にかかわる課題をいきなり米国に提起してしまった。こうした課題は、対米依存という状態への日本人の反発も内包しており、そこをきちんと政権が認識しないと反米政権と誤解される危険性がある」
−どうすればいいか。
「まず、日米関係は緊密でないといけない。緊密な信頼基盤を築いた上で対等性を追求しないと、対等性は実現しない。岡田克也外相が12日に、ハワイでクリントン米国務長官と会談した際、日米で同盟深化の協議に入ることで合意した。これは大きな意義がある。普天間問題はあるが、日米同盟がアジア太平洋地域の平和と安定のための礎石であることを日米間であらためて確認すれば、変な疑心暗鬼は生まれない。戦略目標を共有し、何のために日米同盟があるのか、何のために米軍の駐留が必要なのか、何のために海兵隊が前方展開しないといけないのかなどを1つ1つ詰めていけば、やがて基地問題の解決方法も見えてくるのではないか。こうした同盟深化の協議を通じて、新旧政権与党の議員が日米同盟の重要性を認識するようになる。これは国会議員の9割にも上り、国民の圧倒的な支持が確立するとも言える」
−連立を組む社民党の理解は得られるか。
「社民党が、軍隊のない社会を目指すという理想の旗を降ろす必要はない。鳩山由紀夫首相も『駐留なき安保』という理想を掲げた。確かに、外国軍が日本に駐留し続けることは正常ではない。しかし、すぐに全面撤退できる話ではなく、1つずつハードルを越えていくしかない。社民党には現実的な立場で、日米同盟の重要性を理解してもらいたい」
−日米は同盟深化の協議で地球温暖化、核拡散防止、災害などにも幅を広げようとしている。
「重層的な日米関係を築きたいということだ。一番の核は安全保障上の軍事的な日米協力関係をどう深めていくかだが、それに加えて、世界のあらゆる課題を日米が協力しながら解決していく水平的な広がりを持たせることも必要だ。この2つを縦糸と横糸にして編み上げていくことで、日米同盟関係は深化していくと思う」
▼ながしま・あきひさ 米国での外交研究員を経て、2003年衆院選初当選、当選3回。東京21区。05年、民主党「次の内閣」で防衛庁長官。09年より現職。47歳。



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