土砂かき出し、再生信じて 福大3年の杉永さん ボランティア息長く

シャベルを使って土砂をかき出す杉永聖さん=福岡県東峰村

 昨年7月の九州豪雨発生翌月から、復興ボランティアとして被災地に通い続けている20歳の若者がいる。福岡大3年の杉永聖(しょう)さん=福岡市。これまでに福岡県朝倉市や同県東峰村を訪れたのは約30回。「復興が終わるまで、中途半端な形で投げ出したくない」。その思いでシャベルを持ち、家屋や農地に流れ込んだ土砂をかき出す。

 杉永さんが初めてボランティアで入ったのは、大学のサークル活動の一環だった。そこで、東日本大震災での復興活動のために発足した愛知県のNPO法人「チームレスキュー」の専務理事と会い、「来週もおいで」と誘われた。

 がっちりとした体格で、一度何かを始めるとのめり込む性格。「地元で起きた災害なのに、何もしないでいいのか」。そう自問し、サークル活動としてではなく、ほぼ毎週土曜日に個人的に被災地入りを続け、11月にはチームレスキューの福岡支部長に任命された。現在は農地復旧の窓口となっている地元の生活協同組合とのパイプ役を担い、福岡大など全国から集まる学生ボランティア仲間に指示を出す。

 高齢者の独居宅に流れ込んだ土砂の中から、写真や位牌(いはい)を掘り出した際、近くで住民が亡くなったとも聞き、何とも言えない気持ちになった。

 東峰村小石原の土砂に覆われた農地を、学生や生協職員ら約30人が1日がかりで除去作業し、約2ヘクタールをほぼ復旧させた日は、チンゲンサイを栽培していた柳瀬圭三さん(55)から「今年の収穫は半分あきらめていたが、おかげで作付けができます」と感謝された。

 発生から時間が経過するにつれ、ボランティアの数は減った。ただ現場に立つ杉永さんは、必要な支援は少なくないと実感している。「自分のシャベルのひとかきで、復興が一歩進む」。少なくとも大学卒業まではボランティアを続けるつもりだ。

 

=2018/04/05付 西日本新聞朝刊=