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共有私道の固定資産税、なぜ私が肩代わり?

2022/07/27 20:00 (2022/08/14 0:58 更新)

【投稿】熊本県山鹿市の分譲住宅地の住民です。

7軒の家が共有私道(約30メートル)を取り囲むように建っています。今年5月、市から固定資産税の納税通知書が送られてきました。内容を確認すると、私が7軒を代表し、私道の固定資産税8100円(年額)を払うようになっていました。市の担当部署に「自分以外の人の名前も知らない。どうやって徴収すればいいのか」と抗議すると、担当者から「法務局の土地登記などで持ち主を調べて、関係者を集めて説明して徴収してください」などと言われました。



実際に調査や説明、徴収の手間は取れず、自分が全額を支払いました。同じようにやむなく税金を肩代わりしている人が他にもいるのではないでしょうか。市の対応に、納得できません。

 

【あなたの特命取材班から】

共有資産は地方税法で、共有者全員が「連帯納税義務」を負っています。

市の担当部署は、代表者に納税通知書を送る理由について「1カ所の土地への課税は、1人への通知が適当だと考えています」と説明しました。ただ市民から、近所付き合いの希薄化や高齢化を理由に、対応の変更を求められているとし、「2023年度からは、希望があれば、持ち分に応じて請求できないか検討中です」と説明しました。

九州の政令指定都市3市では、対応が異なっていました。

福岡市は、今回のような共有私道の場合は、共有者の申し出がなくても、個別に納税通知書を送っていました。共有者同士が親族でない上、一部が現地に住んでおらず共有者間でのやり取りが難しいケースは多く、担当者によると「10年以上前から現在の運用になった」と説明しました。

北九州市と熊本市は「代表者に請求が原則」としながら、要望があれば、持ち分に応じて納税通知書を送っていました。北九州市は1981年度から、共有者全員の申し出書を条件に、個別に納税通知書を送付していました。

山梨県都留市は2012年に要綱を定め明文化した上で、希望者へ個別に納税通知書を送っています。北九州市と同じように全員の同意などの手続きが必要。手間がかかることから普及は途上のようです。

総務省の担当者は「判断は自治体の裁量です」と答え「代表者1人だけだと、納税通知書を送付するのは自治体として容易だが、一方でほかの共有者の差し押さえができないデメリットもある」と説明しました。

元税務大学校教授の朝長英樹税理士は「地方税法は共有資産の連帯納税義務を定めていますが、課税方法まで明示していません。そのため、多くの自治体が1人に支払いの負担を求めるような納税通知を安易に行っています。各自治体が都合の良い解釈をしないよう、国は共有者の誰もが納得できるルールを定めるべきです」と指摘しました。(水山真人)

寄稿者:熊本県の60代女性

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