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誰が防災を担えますか【衆院選「選択」④】

2021/10/26 9:14 (2021/10/27 9:43 更新)

「防災のハードは整ったが…」 津波避難タワー、訓練参加は1割未満

宮崎県日向市の堀一方(ほりいっぽう)地区。日向灘が広がる雄大な自然には不釣り合いなコンクリートの塔がそびえ立っていた。高さ海抜12メートル。津波避難タワーだ。

「東日本大震災、そして九州でも熊本地震と相次いだ。人ごとではない」

片寄卓男区長(65)は危機感を訴えた。発生が懸念される南海トラフ地震では、最大15メートルの津波で最悪の場合、日向市の死者は5900人と予想される。

タワーは5年前に完成した。200人を収容できる。県は2014年度から同様のタワーを県内に26基造り、高台へ上る道も整備中だ。22年度までに55億円の予算を投入する。

「ハードはある程度整った。あとはソフト。安全に避難できる態勢づくりだ」。県の担当者は指摘した。堀一方地区では年1回、タワーに上る避難訓練をしているが、地区の人口約4600人のうち、昨夏の訓練に参加したのは320人。若者はわずかだ。今年から猛暑を避けて11月開催としたが、果たして参加者は増えるか。「住民の防災意識をどう高めればいいのか」。片寄さんにも解決策は見えていない──。

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31日に投開票される4年ぶりの衆院選。西日本新聞では、歴代最長で「1強政治」と言われた安倍政権から、菅・岸田政権までの間、私たちの暮らしや地域がどう変わったのかを見つめる連載「選択」を掲載中です。みなさんのご意見も募集します。

【あなたの特命取材班から】

東日本大震災が発生した2011年3月以降、九州や全国で災害が相次いでいます。

豪雨被害については、熊本県阿蘇地方などで25人が死亡した2012年の「九州北部豪雨」(平成24年7月九州北部豪雨)を皮切りに▽福岡県朝倉市などを襲った2017年の「九州豪雨」(平成29年7月九州北部豪雨)▽2018年7月の「西日本豪雨」▽佐賀県中心に浸水害が発生した2019年8月の記録的な大雨▽熊本県の球磨川水系が氾濫した2020年の「熊本豪雨」―などと近年は毎年のように発生しています。地震についても2005年3月20日に「福岡沖地震」(福岡県西方沖地震)、2016年4月には「熊本地震」がありました。

近年では、スマートフォンアプリを使った災害通知や、リアルタイムで雨雲を確認できるサービスが充実してきました。一方で、都市化や高齢化に伴い、危険も伴う防災の担い手をどう確保するかが大きな課題となっています。避難時間が限られる津波被害が想定される「南海トラフ地震」は、特に警戒が必要です。そのため「避難タワー」などのハード対策が各地で進むほか、豪雨が予測される場合、可能な限り早めに避難誘導するアナウンスが重要となっています。コロナ禍で、感染拡大防止と避難をどう両立させるかも新たな課題となっています。


皆さんの身の回りの防災対応について、「自助」「共助」「公助」は十分でしょうか。地域を災害から守るには、どうすればよいと思いますか。以下のコメント欄にご意見をお寄せ下さい。※コメント欄が表示されない方は、こちらのリンクをクリックしてください

寄稿者:西日本新聞

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