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国史跡の指定地内に家…売却どうしたら?

2022/06/07 12:00 (2022/06/28 22:55 更新)

投稿】福岡県糸島市に国史跡の怡土(いと)城跡があります。家族が史跡の指定地内に住んでいますが、高齢です。遠くない将来、空き家になる可能性があり、行政による買い上げ制度を活用したいですが、いつになるか分からないようです。

買い上げを待っている間に固定資産税や管理費も必要ですし、年金暮らしの私たちには大きな負担です。財産を放棄するしかないのでしょうか。

あなたの特命取材班から

怡土城跡について、まず紹介します。

福岡市と糸島市の境にある高祖(たかす)山(416メートル)の西側斜面に築かれた奈良時代の山城跡です。国の史跡指定を受けたのは、なんと戦前の1938年にさかのぼります。当初は裾野で確認された土塁など約25ヘクタールが主に指定されましたが、地元からの要望もあり、地権者の同意を得ながら、斜面など約110ヘクタールが2007年に追加指定されました。投稿者の家族の自宅も、07年に指定を受けました。指定外の国有林などを含めると、城跡としては全体で約290ヘクタールに及びます。

糸島市によると、史跡指定地を開発するには、文化庁長官の許可が必要です。指定地の所有者にとっては財産権が制限される場合があり、国庫補助(8割負担)で自治体が土地を買い上げる制度があります。同市では、07年の追加指定の後、山林など30筆(約5万2000平方メートル)を既に買い上げました。その費用は約6000万円です。現在のところ、19件が〝買い上げ待ち〟の状態です。

一方で、糸島市にある国史跡は怡土城跡を含めて8カ所。予算の制限がある中、保存や活用などを視野に入れながら、どこを優先的に買い上げるのかは、大変難しい判断を迫られるそうです。市文化課は「怡土城を集中的に買い上げたと仮定しても、19件を終えるには5年以上は必要だろう」と説明します。すぐに買い上げてもらうのは難しいようです。

ただ、指定地であっても不動産売買は可能です。福岡市に近く、自然環境が充実している糸島市は今、人気の自治体でもあります。近年も、指定地内の古い住宅を購入して暮らし始めた事例もあるそうです。文化課は「糸島市内の不動産会社に依頼すれば、一定の仲介は可能ではないか」と説明しています。

投稿者の家族が糸島市のコミュニティ推進課にも問い合わせたところ、「空き家バンク」の活用を紹介してもらったそうです。使えそうな補助金についても説明がありました。

投稿者は「空き家バンクの話を聞き、少し安心した。指定地内で暮らしている方々で、同じように悩んでいるケースがあるのではないか。私たちの事例を知ってほしい」と話しています。

将来の空き家が懸念される場合、できるだけ早いタイミングで家族内で話しあい、買い上げと空き家バンクの両制度を検討していくことが重要になってきそうです。(竹次稔)

寄稿者:福岡県内在住

あなとくちゃん

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あなたの特命取材班

怡土城跡の大鳥居口にある石碑



怡土城跡の模型(伊都国歴史博物館内)


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