「STOP 鳥獣被害」アイデアソン!

福岡県内の鳥獣被害戯画 

アイデアのヒントに、インプットセミナーも実施

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 アイデアソンに入る前に実施されたのが、インプットセミナーです。

 最初は福岡県宗像市農業振興課の寺尾寧係長が、同市における鳥獣被害の現状や取り組みなどについて説明。捕獲したイノシシの約7割を食用として加工し、一部は「むなっ猪」としてブランド化していることなどを紹介しました。

 続いて大豆、イチゴの生産・販売や大豆飲料の製造・販売を手掛ける花立山農業研究所(福岡県筑前町)の櫻木康晴所長が登壇。鳥獣対策において、緩衝帯として機能する里山をきちんと手入れし、野生動物の生息域を人里から遠ざけることの大切さなども説明しました。

多くのアイデアの中から七つに絞りチームに分かれブラッシュアップ

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 「九州サイコー!会議」は、「『STOP鳥獣被害』アイデアソン! ~動物も人間もサイコー!な福岡ヘ~」(BODIK、西日本新聞社共催)を3月24日、福岡市の福岡SRPセンタービルで開催しました。野生鳥獣を田畑などを荒らす害獣ではなく「地域資源」と捉え、新たな食文化や特産品、観光資源などを地域ブランドとして創出し、地域活性化につなげていくことを目的に、さまざまな職業に携わる20数人が参加しました。

 アイデアソンではまず、参加者一人一人がキーワードを書き出すことからスタート。それを共有し、助言し合い、個々がさらに考えを膨らませてアイデアスケッチを作成していきました。

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 作成したアイデアスケッチは参加者全員で評価し、上位7つを選出。続いて「幸運のイノシシ像を福岡に」「ケモノ道散歩」「てんてきくん」「ジビエ屋台」「ITを活用した次世代のイノシシ対策」「鳥獣サバゲー」「『モテル猟師の時代』だぜ!」のアイデア別に7チームに分かれ、内容を練り上げていきました。

 最後に各チームがプレゼンテーションを実施。「ケモノ道散歩」と「ジビエ屋台」が最優秀賞に輝きました。

アイデアソンから生まれたユニークな提案 最優秀賞

  • ケモノ道散歩

     野生動物と人との正しいすみ分けを知るために、また人と動物が互いの存在を感じる“見えない境界線”に接することで双方の理解が深まるように、「ケモノ道散歩」を提供する。ターゲットはその土地を訪れる都市生活者や、地域住民でも会社員など自然と触れ合うことが少ない人。

    ▼ポイント
    イノシシやシカが出現した地点が分かる「ケモノ道地図アプリ」を、地域の人や関係者が制作。
    経験のあるガイドが、ケモノ道の歩き方をアドバイスしながら案内し、イノシシなどの生態に関するレクチャーも行う。
    安全のため、危険を感知するセンサーなどを設置する。
    野生動物を追い払うため、柵以外の設備(動物の嫌な音を出すなど)を設置する。
    「ケモノ道散歩」の促進により、人と野生動物が互いに干渉し合わない本来の環境を取り戻す。
  • ジビエ屋台

     ジビエや鳥獣被害についての認知を、一般に広げることが目的。併せてジビエの消費拡大も目指す。ターゲットは、福岡に観光や出張で訪れる人など。屋台でジビエ料理とそれにマッチする地酒やワインなど〝ジビエ酒〟もセットで提供する。

    ▼ポイント
    「○○産のイノシシ」「有名なハンター○○さんが捕った」など、ジビエに付加価値を付けて客にアピールする。それを狩猟者のモチベーションにもつなげる。
    客との会話の中で、さりげなく鳥獣被害について触れる。
    最初はイベントでのジビエ屋台出店から始める。それから既存屋台にジビエ肉を安く仕入れてもらい、メニューを提供してもらう。
    自治体の協力を得て有名料理人に特別ジビエメニューを作成してもらい、インターネットなどで拡散する。

惜しくも賞を逃した提案

てんてきくん
 ドローンなどで常時監視し、イノシシやシカを見つけると、オオカミなど天敵の姿をしたロボット「てんてきくん」に出動命令が下る。てんてきくんは速やかに出動し、動物が嫌う臭いを発して追い払う。ロボットの手に負えないときは猟友会がフォロー。
ITを活用した次世代のイノシシ対策
 鳥獣被害で困っている農家の人のために、「箱ワナ」購入資金の支援をクラウドファンディングで募り、それとともに鳥獣被害のことを広く知ってもらう。この活動が「離農農家の減少や獣肉の利活用につながる」などのメリットも発信する。
幸運のイノシシ像を福岡に
 伊・フィレンツェほか、各地に幸運のイノシシ像があることに着目。さい銭を入れるタイプのイノシシ像を西日本新聞社敷地内に設置し、観光名所化を図る。集まったさい銭を鳥獣被害対策に当て、どう使われたかを報道。一般の人に関わってもらうのが目的。
『モテル猟師の時代』だぜ!
 地元猟師への弟子入り制度を整え、若者が猟師となって収入を得る仕組みを作っていく。「猟師はカッコイイ」のイメージも訴求。若者の地域への移住・定住化も目指す。行政や地域おこしのNPO法人などとコラボレーションしながら情報発信する。
鳥獣サバゲー
 地域の人がイノシシ出現アラートを送信。それを受けたサバイバルゲーム愛好者が現地に駆け付け、実弾でなくICチップを埋め込んだ弾で害獣をハント。その様子をインターネットで実況。世界中のサポーターが資金提供などの面でハンターを支援。