<8>ママ、ここに入院するの 散歩しながら娘に説明

入院前の昨年9月、娘と散歩を楽しみました
入院前の昨年9月、娘と散歩を楽しみました
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 夫と話し、小5の娘にはきちんと伝えることにしました。乳がんの手術で2週間入院し、胸も変わってしまう。何も伝えない方がむしろ娘を心配させると考えたからです。

 とはいっても、いつ、どんな顔で話せば…。思いついたのが「お散歩作戦」。歩きながらなら、何とか打ち明けられそうな気がしました。

 「ママと散歩に行く?」と誘うと娘は喜んでついてきました。朝5時半に起きて、おしゃべりしながら近所をぐるりと40分。楽しい時間でした。

 そして何日目かの朝、散歩コース沿いにある乳腺専門の病院を指さし「ママね、今度ここに入院するの」と切り出したのです。

 娘は「なんで?」と不思議顔。胸に悪いできものがあって、手術で取らなければならないこと、でもそれが終わればまた元気になることを説明しました。娘は少し不安そうでしたが、「分かった。頑張って」と言ってくれました。

 さて、フリーアナウンサーの小林麻央さんが旅立ってしまいました。訃報が伝わった夜は動揺してなかなか眠れませんでした。「あんなに頑張ってもだめなの」「ひょっとしたら、私も」。でも、何より喪失感を覚えました。ポカリと心に穴が開いたような…。ブログを毎日チェックするうちに、麻央さんに家族や親戚のような親近感を抱いていたのかもしれません。

 麻央さんのブログで印象に残っている写真があります。久しぶりにお子さん二人と手をつないで歩く麻央さんの後姿。あふれる幸福感が伝わってきました。

 もう一度お子さんたちと歩きたかったはず。もっといろいろ話したかったはず。その気持ちを考えると、心がキュッと痛みます。

<続き>交流会に出て心が軽く “先輩”の胸を見て感動

(四十物恵妙=西日本新聞契約ライター)


 2017/07/03付 西日本新聞朝刊

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