のぼる屋復活 常連結集 鹿児島の老舗ラーメン店 「記憶の味」再現、共同経営

「のぼるラーメン」を復活させたファンの一人で、新生「のぼる屋」代表を務める牧野ゆかりさん
「のぼるラーメン」を復活させたファンの一人で、新生「のぼる屋」代表を務める牧野ゆかりさん
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店ののれんも旧店舗と同じデザインになっている
店ののれんも旧店舗と同じデザインになっている
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 鹿児島市のラーメンファンに惜しまれつつ、2年前に60年を超える歴史に幕を下ろした同市のラーメン店「のぼる屋」ののれんが復活した。鹿児島ラーメンの代表格とされる味を常連客たちが再現。亡くなった店主の遺族の了承を得て共同経営を始めた。「帰ってきた老舗の味を県内外に広めたい」と意気込んでいる。

 のぼる屋は終戦間もない1947年、鹿児島市の繁華街・天文館近くに開店。豚骨や魚介類を煮込んだスープと自家製の中太麺が特徴で、あっさり味と食べ応えが人気を呼んでいた。最盛期には昼食時に列ができ、1日200人以上の客であふれていたという。

 その後も市民に親しまれ、鹿児島の名所の一つになっていたが、店主が亡くなり、後継者もいなかったために閉店した。

 そんな中で「のぼるラーメン」を愛してやまないファン有志が再開を模索。市内在住の牧野ゆかりさんが昨年9月、店主の親族を訪ねて直談判したところ「あんたがやらんね」と勧められ、自分たちの手で復活させることにした。

 ただ、レシピは店主しか知らず、メモも残されていなかった。牧野さんらは店の関係者が記憶する食材の仕入れ先から材料を特定、試行錯誤を繰り返しながらの試食会は35回を数え、招いた常連客延べ500人の「舌」を頼りにした。

 今年6月にようやく完成。中心になって再現に取り組んだ中華料理店シェフの石津誠さん(34)が新生「のぼる屋」の料理長に移籍し、かつての店に近い、鹿児島市金生町での9月4日のオープンにこぎ着けた。

 共同経営者の一人で、幼いころからのファンという鹿児島県指宿市の下竹原啓高さん(63)は「皆が味を記憶しているうちじゃないと再現できなかった」と笑顔を見せた。代表を務める牧野さんは「これからも多くの人に愛されるラーメン作りに努めたい。ぜひ食べにきて」と呼び掛ける。

 メニューはラーメン(800円)のみで大盛り(千円)も。営業は午前11時~午後8時。不定休。のぼる屋=099(226)0141。

この記事は2016年09月06日付で、内容は当時のものです。

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