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小学校英語(1)塾通い 「実は苦手なんです」

英会話スクールで外国人講師から英語を学ぶ嶋津講師(左)=9月2日、福岡市
英会話スクールで外国人講師から英語を学ぶ嶋津講師(左)=9月2日、福岡市
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 2020年度から小学校英語が変わる。3年生から学ぶようになり、5、6年生では正式な「教科」になる。小学校教員の多くは、大学の教職課程で英語指導を勉強しておらず、「どう教えたらいいのか分からない」という不安の声も聞かれる。そんな中、自身の英語力を上げようと「塾通い」を始めている先生もいる。奮闘する2人の先生の姿を追った。

 「間違っても大丈夫」

 「What do you want to do in Hong Kong?」(香港で何をしたいですか?)
 「I want to do go shopping」(買い物へ行きたい)

 9月のある土曜日。福岡市にある大手英会話スクール・イーオンで、市内の小学校の常勤講師、嶋津美鈴さん(56)はオーストラリア人講師から個別レッスンを受けていた。授業はすべて英語。時折、返答につまりながらも、英語でやりとりする。「Good!」。講師から褒められると、笑みがこぼれた。

 スクールに通い始めたのは昨年の11月。次女(21)が入会したのを機に「ならば自分も」と背中を押された。中高校時代は英語が苦手、というよりも「興味を持てなかった」。

 先生になってからも、職員室にいる外国人講師に話し掛けたくても話し掛けられない自分や、街で外国人に道を聞かれることに恐怖すら覚えていた自分がいた。「もどかしい気持ちでいっぱい。ちゃんと英語を話せるようになりたいと」

 レッスンでは、高校生や大学生と一緒にもなり、レベルの違いにひるむ時もある。だからこそ、努力は惜しまない。

 平日の朝は5時起き。家族のお弁当を作った後に30分~1時間、テキストを使って英語を勉強する。出勤、帰宅時は車の中で英会話のCDを流し、リスニングに励む。帰宅後も1~2時間を予習に使い、週1回のレッスンに備える。帰宅後、疲れて勉強できない時は、洋画を字幕付きで鑑賞。年間50本は見た。

 勤務校で6月から偶然、外国語の専科(英語)となり、5、6年生の外国語活動の授業を担当することになった。担当と聞いた瞬間は「勉強したことが生かせる。『ラッキー』と思えた」と話す。

 授業では、自分も決して英語が上手ではないことを事前に子どもたちに伝え、あえて「間違う自分」の姿も見せる。嶋津さんは言う。「間違っても大丈夫。英語は楽しんで学ぶことが大切なんだと伝えたい」

 学ぶ楽しさ、伝えられるか

 大学生の時から英語の勉強を始めた先生もいる。

 北九州市内の小学校で教える女性教諭(24)は教職を目指していた大学3年時に、英会話スクールの初級コースに入会した。「ずっと英語が一番苦手だったけれど、今は小学校の先生にも英語力は必要。目指すならきちんと勉強しないといけないと思った」と話す。

 スクールではNPOが認定する「小学校英語指導者資格」を取得できるコースも受講。通常のレッスンに加えて、指導法など、実践に役立つ技術も学んできた。

 大学卒業後、先生となり、今年は外国語活動の授業は持っていない。ただ、いつ持つことになってもおかしくない。「今まで5、6年生でやっていたことが3、4年生に降りてくるけれど、教え方は同じでいいのだろうか」「習字やリコーダー、新しいことがたくさん始まる3年生。英語まで加わって大丈夫だろうか」。自身の英語力は上がったが、教えることへの不安はまだぬぐえない。

 「不安はすごくあるけれど、次に授業を持ったら、英語が得意な子にも、苦手だと思っている子にもしっかり寄り添えるようにしたい」

 ◆小学校英語 2011年度から小学5、6年生を対象に「聞く」「話す」を中心とした「外国語活動」が導入された。20年度から導入される新学習指導要領で、5、6年生では「読む」「書く」も加わり、正式な教科として通知表で評価される。教科外の外国語活動は、新たに3、4年生で実施される。5、6年生の授業数は週1から週2こまに増え、3、4年生は週1こまで学ぶ。前倒しの移行措置は18年度から始まるので、多くの小学校で来年度から変わる。

=2017/10/08付 西日本新聞朝刊(教育面)=

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