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小学校英語(3)時間割 やりくりが大変

児童同士が英会話でコミュニケーションを深める安徳南小5年生の授業。時間割を見ながら教科の名前を尋ね合っていた
児童同士が英会話でコミュニケーションを深める安徳南小5年生の授業。時間割を見ながら教科の名前を尋ね合っていた
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 学力強化のうねりの中、小学校の時間割は今でも目いっぱい。学校週5日制が導入されながら、導入前の1980年代並みの年間授業時間数を求められているからだ。夏休み短縮や土曜授業復活の動きが広がっている背景にはそんな実情がある。

 2020年度から導入される新学習指導要領に基づき、小学校英語の学習が拡充される。5・6年生は週1こまから週2こまへ。3・4年生は新たに週1こまで学ぶ。前倒しの移行措置は、来年度から始まる。新たな授業時間をどう捻出するか。各学校とも頭を痛める。

 文部科学省の外国語教育強化地域拠点事業に指定された小学校2校。先進校ではどうやりくりしているのか-。

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 福岡県那珂川町の安徳南小学校は、15年度から全学年で英語授業に取り組む。5・6年生は週2こま、3・4年は週1こま、1・2年は月1こま学ぶ。新学習指導要領のもう一歩先を歩んでいる。同町では13年度から、町立の全小中学校で夏休みを約1週間短縮しており、年間カリキュラムが組めたという。

 9月中旬、5年生の授業では、「夢の時間割をつくる」をテーマに、曜日や授業科目を表す単語を学んでいた。カードを使ったゲームで発音練習を繰り返した後、児童たちは席を離れ、級友同士で会話した。

 What do you study on Monday?

 I study Japanese, Math.

 相手の目を見て「OK」「サンキュー」と英語で会話をつなぐ児童の姿に、西田千晴教諭(35)は「とっても上手」と拍手を送った。

 授業内容は文部科学省の教材を基本にしながら、中学校で習う過去形や三人称も部分的に学ぶ。4月から自分の氏名をアルファベットで書く練習をしていた児童たちは、すらすらと書いていた。「週1こまと2こまでは、児童への英語定着度はかなり違いますね」と、英語教育推進リーダーを務める内田綾教諭(35)は話した。

 小学校は学級担任制が基本だが、同校では3年生以上の英語授業で、各学年の担任のうちの1人が授業を担当する「教科担任制」も導入。「教師の負担感を減らし、児童は質の高い授業が受けられる」と加峰和子校長はメリットを説明した。

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 同県宮若市の宮若西小学校は、そのもう一歩先を行く。本年度から全学年で週2こまの英語授業。45分授業1こまに加え、週3度の朝学習(15分間のモジュール授業)で実質週2こまの授業に取り組んでいた。

 Good morning, everyone!

 午前8時35分、朝学習は英語の校内放送で始まった。簡単な英会話をリズムに合わせて語ったり、英語の歌を歌ったり。残りの10分間は各クラスでそれぞれ。

 5年生の教室では、授業で使う地図作りに向け、消防署やコンビニ店などの絵を見ながら単語の発音を繰り返した。6年生の教室では、前回授業で覚えたフレーズの復習をしていた。

 こちらは、あくまで学級担任の指導力重視。「児童のことを一番分かっている担任がやるのがベスト」というのが理由で、給食やプリント配布などの際にも、学んだ英語を織り交ぜ、英語に慣れ親しんでいた。

 5年生を担任する西薗幸樹教諭(30)は「英語授業でしっかり指導できなかった内容などは、児童の状態に合わせ、補足指導するよう心掛けている」。

 「ALT(外国語指導助手)任せではなく、担任の先生が前に出て自信を持って取り組むようになった。担任の先生が語る言葉って、やっぱり重いんですよ」と、拠点事業コーディネーターの内田由香利さん(55)は手応えを語った。

 ◆小学校英語の授業時間   5・6年生の「外国語活動」(英語の聞く・話すだけで教科外)は現在、年間35こま。2020年度からは正式な教科になり、年間70こまに倍増。3・4年でも外国語活動を年間35こま学ぶようになる。本格導入に向けた移行期間となる18、19年度は、3・4年生は年間15こま、5・6年生は50こま学ぶ。文部科学省は、総合学習の時間の枠を英語に振り替える方策を認めている。現実には研究校指定などを受け、1年生から英語を学ぶ学校も少なくない。

=2017/10/22付 西日本新聞朝刊(教育面)=

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