なぜ今、中洲にダンスクラブなのか 福岡の最新クラブ事情とディープな歴史【前編】

セクシーな衣装とノリノリの躍りで「美獣」のダンスフロアを盛り上げる「バーレスクTOKYO」の女性ダンサーたち
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美獣のフロアを取材中、「私たちを撮って」と声を掛けてきた女性2人組。お立ち台に上がった気分のポーズ?
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「美獣」のフロアの片隅で目を光らせるセキュリティー班の外国人男性。一見こわもてだが、優しく、礼儀正しい紳士がそろう
「美獣」のフロアの片隅で目を光らせるセキュリティー班の外国人男性。一見こわもてだが、優しく、礼儀正しい紳士がそろう
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 若者(15〜29歳)の人口比率、増加率ともに政令市ナンバーワンの福岡市。夜の代表的な社交場と言えば、クラブだろう。つい最近も、ネオン輝く中洲の一角に大型ダンスクラブがオープンしたばかりだ。バブル期に絶頂を迎え、栄枯盛衰を繰り返してきた福岡のダンスシーンだが、今や地元でも知られていない話が多い。いっぱしのクラブ通を目指し、最新事情とディープな歴史に迫ってみた。

■最新クラブは「女性に優しく」

 ある週末の夜。ダンスフロアやボックス席は既に数百人もの客でひしめていた。暗闇を照らすのは、高さ7メートルもある天井から縦横無尽に放たれるレーザー光線と、超特大モニターに映し出される幾何学的なイメージ映像、そしてスモーク。空間にはユーロビート、R&B、ヒップホップ、レゲエなど多彩なジャンルの音楽が大音量で鳴り響き、フロアを埋めた客の体を自然と揺らす。

 ここは、国内最大級のフロア面積(約600平方メートル)を誇る大型ダンスクラブ「美獣(びじゅう) bijou 」。昨年10月下旬、博多区中洲4丁目にオープンした。

 午後9時。DJブース後方のお立ち台に、レオタード姿の若い女性8人が現れた。東京の有名なエンタメ空間「バーレスクTOKYO」所属のダンサーたちだ。音楽は、人気ユニット「三代目J Soul Brothers」が登場するCMソング「Share The Love」。ビートに合わせ、彼女たちが“ゴーゴー”を思わせるダンスを披露すると、男性客は拳を突き上げて縦ノリ、女性客はハイボール片手に横揺れ…。派手に踊る人はいないが、思い思いの“揺れ”と歓声でフロアは熱気で包まれ、盛り上がりは早くも最高潮に達した。

 客は、少し肌を露出したファッションの女性たちや、カジュアルな装いのサラリーマン…。VIP席には、スーツやドレス姿の男女がシャンパングラスを手に陣取る。DJブースには、世界を舞台に活躍する「DJ KAORI(カオリ)」や元AKB48の歌手板野友美らが続く。ピコ太郎の「ペンパイナッポーアッポーペン」(PPAP)が流れると、さらにヒートアップ。お立ち台で踊りだす男女を、セキュリティースタッフを務める屈強な外国人男性が制止する場面もあった。

 なぜ今、中洲にダンスクラブなのか。代表の坂口佳奈さん(31)は、中洲を「女性も楽しめる街」にしたいという。飲食店やクラブ、キャバクラ、バーなど約3500店が集積する中洲。1日当たりの客は約6万人とされるが、大半は年配のサラリーマンや自営業者が中心の男性客だ。だから「私と同世代の女性も安心できる遊び場をつくりたかった」と話す。コンセプトは「女性に優しいクラブ」。女性専用のパウダールームは広いスペースを確保し、男性客による執拗なナンパ行為は「レディーファースト」を重んじるセキュリティー班が徹底排除する。そこには「若い女性客が増えれば若い男性客も増え、中洲はより活気づく」という思いがある。

福岡のディープなクラブの歴史・後編に続く

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