博多どんたく初日パレード中止 祭り出演者らに涙雨 「熊本活気づけたかった」

悪天候の影響で、閑散としたどんたくのお祭り本舞台
悪天候の影響で、閑散としたどんたくのお祭り本舞台
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強風雨の中、傘に囲まれながら練り歩く博多松囃子(ばやし)の福神
強風雨の中、傘に囲まれながら練り歩く博多松囃子(ばやし)の福神
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 3日開幕した「博多どんたく港まつり」は、悪天候のため、福岡市・明治通りの「どんたく広場」を舞台に総勢1万3400人が出演予定の一般パレードが中止になった。「どんたくに雨はつきもの」-。こんなジンクスをものともせず、雨の中でも繰り広げられてきたが、今年の激しい風雨には勝てず、14年ぶりの断念に追い込まれた。出演者や観客から落胆の声が上がる一方で、市内34カ所の演舞台では予定通りに演目が進められ、“雨中のどんたく”を盛り上げた。

 ■出演者

 「児童たちが一生懸命考えたメッセージでした」。地元の博多小児童で構成する「博多のまちちびっ子どんたく隊」。引率の徳永達郎教諭(32)は肩を落とした。熊本地震の被災地を応援するため、児童たちが手作りした「がんばろう九州」の看板を掲げた山車(だし)と一緒に練り歩く予定だった。「披露することができず残念です」

 出演者の集合場所となった博多区の冷泉公園で、博多古謡保存会の中嶋栄子さん(69)は「笠にビニールを付けて雨対策は万全だったのに」と困惑気味。公園近くの上川端商店街を甲冑(かっちゅう)姿で歩いていた熊本県菊池市の会社員男性(47)は「地震で地元熊本が落ち込んでいるから、パレードで活気づけたかった」と残念がった。

 「達成感が得られなくて消化不良」。福岡市早良区の大学生西村紗季さん(21)が通うダンススクールは福岡市役所前のお祭り本舞台で踊った後、パレードに流れる予定だった。友人の和田真依さん(21)も「悲しい。涙が出そう」と悔しがった。

 ■観 客

 にぎやかなパレードを期待していた観光客も消沈した。早朝の新幹線に乗った広島県の江村隆さん(49)は「初めてのどんたくを楽しみにしていたんですけどねえ」と悪天候に恨めしげ。大阪府高槻市のパート女性(55)は「一度は見たいと思って福岡にやって来たのに、中止なんですね」と驚いた表情だった。福井市の英語講師でアイルランド人のイマ・ゲラティさん(26)は「福岡を楽しんで帰りたい」と話した。

 天神中央公園には全国各地からの出張屋台が並んだが、ベビーカステラを売る和田優子さん(39)は「雨の影響で昨年よりお客が少ない。赤字かも」と嘆いた。

 ■振興会

 主催の「福岡市民の祭り振興会」のスタッフも対応に追われた。午前11時半のパレード中止の決定後、すぐに公式ホームページで告知。お祭り本舞台などでもアナウンスを繰り返した。出演団体の電話による問い合わせも相次いだ。

 熊本地震を受けたスローガン「どんたく WITH THE KYUSHU 熊本・大分の復興に向けて」と書いたのぼり旗500本を用意したが、風雨が強く、全てを設置することができなかった。被災地への義援金箱も一部撤去した。

 振興会によると、初日の観客は前年比30万人減の70万人。振興会の榎本重孝実行委員長は「パレード中止は苦渋の決断。4日の天候は回復しそう。元気なパレードでフィナーレを迎えたい」と意気込んだ。

=2016/05/04付 西日本新聞朝刊=

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