山笠ゆかりの「切木ぼたん」 唐津の出さんが櫛田神社に移植

櫛田神社の境内に植えられた切木ぼたん(手前)。後方は(前列左から)阿部憲之介宮司、出直登さん、豊田侃也博多祇園山笠振興会会長
櫛田神社の境内に植えられた切木ぼたん(手前)。後方は(前列左から)阿部憲之介宮司、出直登さん、豊田侃也博多祇園山笠振興会会長
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 博多祇園山笠の舁(か)き山笠や飾り山笠に飾られるボタンの造花の由来となった佐賀県の天然記念物「切木(きりご)ぼたん」1株が24日、持ち主の同県唐津市肥前町切木の出(いで)直登さん(82)から福岡市博多区の櫛田神社(阿部憲之介宮司)に寄贈され、境内に植樹された。

 「切木ぼたん」は、豊臣秀吉の逆鱗(げきりん)に触れ、流罪となった岸岳城(現在の唐津市)城主波多三河守の家臣井手賢介が、主君のめでた花をひそかに移植したと伝えられる。悲劇に同情した博多の人たちが、いつしか山笠にボタンの造花を飾るようになったという。

 出さんは賢介の子孫で「切木ぼたん」は出さん宅の庭先に約40株が残るのみ。「15年くらい前はよく山笠の櫛田入り見物に来た」という出さん。「自分の家だけにあってもどうなるか分からないし、博多に何かお礼をしたかった」と、山笠が奉納される同神社への移植を思い立ったという。

 この日は、出さんや阿部宮司、博多祇園山笠振興会の豊田侃也(かんや)会長らが見守る中、約20個のつぼみを付けた株が境内の飾り山笠近くに植えられた。豊田会長は「山笠とボタンにまつわる歴史を若い人たちに伝えたい」と話した。

=2018/11/25付 西日本新聞朝刊=

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