バスやタクシーで宅配 宮崎県が「貨客混載」実証事業 人手不足解消地域の足確保へ

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 宮崎県は2018年度、路線バスやタクシーが乗客と荷物を一緒に運ぶ「貨客混載」で、過疎地の住宅に荷物を届ける実証事業を始める。国が昨年9月、タクシーも荷物を運べるようにした規制緩和を活用する。宅配業者は運転手不足や人口減少による需要減で過疎地への配送が難しくなってきた。路線バスやタクシー会社がこれを肩代わりすることで、地域の足を維持していく狙いもある。

 県によると、過疎地に向けた荷物は都市部で宅配業者から路線バスに積み替えられ、路線バスが過疎地の集落拠点に輸送。これをタクシーや市町村運営のコミュニティーバスが受け取り、空き時間に住宅に運ぶ。こうした貨客混載は人口減を背景に広がっているが、複数事業者を参加させ、過疎地の住宅に届ける試みは全国でも珍しいという。

 県は新年度当初予算案に事業費983万円を計上。有識者などの検討会で、運行する2地域と事業者を決める。配送は18年度後半に2~3カ月間、有償で実施。19年度以降は民間による本格運行につなげる。

 貨客混載を巡っては16年、コミュニティーバスも荷物を運べるよう規制緩和。昨年9月からは事業者が許可を受ければ、過疎地限定でタクシーが荷物を輸送したり、トラックが人を運んだりできるようになった。旅客、貨物ともに効率の悪い過疎地で収益につなげ、サービスを維持してもらう狙いだが、事業者にはニーズの把握や損益試算が難しく、新規事業への参入は進んでいない。

 このため県は、今回の事業費に運送ニーズの調査や事業者に赤字が発生した場合の穴埋め費も計上した。県総合交通課は「宮崎県は中山間地域の人口減が深刻。事業化の道筋を付け、民間事業者の本格運行につなげたい」としている。

=2018/02/16付 西日本新聞朝刊=

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