グラビアアイドルから転身した「移住芸人」奔走 特技は解体ショー 鹿児島県鹿屋市で協力隊員に

「かのやカンパチ」を三枚におろす半田あかりさん=福岡市博多区
「かのやカンパチ」を三枚におろす半田あかりさん=福岡市博多区
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 大手芸能事務所に所属する大阪市出身のお笑い芸人、半田あかりさん(33)が、鹿児島県鹿屋市の地域おこし協力隊として市のPRに奔走している。縁もゆかりもない鹿屋市に移住し、テレビに出演したり、全国のイベントを回ったりして農水産品を売り込んでいる。一番のネタは名産の養殖カンパチ解体ショー。「相方は鹿屋。まちを元気にするプロになりたい」と、市の魅力発信のため、お笑いに日々磨きを掛けている。

 「はいっ、シャッターチャンス。身がすごく締まって脂もきめ細かくて上品なんです」。2月下旬、福岡市内であった食品展示会。人だかりができた鹿屋市漁協ブースで、ねじり鉢巻き姿の半田さんが「かのやカンパチ」を高々と掲げた。軽妙な語りで笑いを誘い、豪快に三枚におろすと拍手が湧いた。

 23歳でスカウトされグラビアアイドルに。「人生を丸ごとさらけ出す職業に就きたい」と芸人に転身し、路上でコントなどを披露しているところを、松竹芸能(大阪市)の目に留まり入社した。売れっ子になり、関西でテレビやラジオのレギュラー番組5本に出演するまでになった。

 その頃、農林水産省から副市長として鹿屋市に出向していた福井逸人(はやと)さん(45)が、半田さんを知り「この人だったら市をアピールしてくれるのでは」と協力隊員への就任を猛アタック。「薄給で」との条件ながら、半田さんは「ワクワクした」と応じ、2016年春に移住した。給料はそれまでの3分の1になったが、カンパチや豚肉などの食材、自然豊かな田舎暮らしに、どんどん魅了された。

 養殖カンパチをPRする際、当初は板前がさばく様子をトークで補助するだけだったが、市役所職員に黙って毎朝4時から約4時間、鮮魚店で解体技術を学んだ。16年秋に解体ショーを実演し、職員たちの度肝を抜いた。その後は解体ショーを「ネタ」に、オリジナルのカンパチダンスも加えて全国行脚する。地元テレビ番組にも引っ張りだこで、農家のリポートなどで市内を巡り、市民から「鹿屋の知名度を大きく上げてくれた」との感謝の声も届く。

 大好きになった鹿屋での活動で、半田さんは「そこにある資源を生かすのが、町おこしだと思う」と確信する。そして自分自身について「求められた分野で全力を尽くし、人とのつながりといったプライスレス(値が付けられない)なものを求めたい。こんな生き方もあり。人生ってめっちゃおもろい」。

=2018/03/02付 西日本新聞朝刊=

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