念願の田植え「感謝」 農地復旧にボランティアが力 日田市大鶴地区 流木撤去やあぜ道補修

あぜ道の修復作業を終え、苗を植えた水田を眺めるボランティアと伊藤澄子さん(右から2人目)
あぜ道の修復作業を終え、苗を植えた水田を眺めるボランティアと伊藤澄子さん(右から2人目)
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 田植えの季節を迎え、九州豪雨で被災した日田市の田んぼの復旧にボランティアが力を発揮している。作付けを諦めていたが、田んぼや水路の土砂、流木を取り除くなどして米作りに取りかかることができるようになった農家もある。緑濃い山々に囲まれた水田に苗が揺れ、日常の風景を取り戻しつつある。

 同市大鶴地区の上宮町、伊藤澄子さん(74)は今月初旬、約1500平方メートルの田んぼに苗を植えた。面積は例年の6割程度だが、先祖代々受け継いできた田んぼでカエルがぴょんぴょんと跳ねるのを見て、思わず笑みがこぼれる。

 豪雨では近くの川が氾濫、濁流が田畑を飲み込み、流木や土砂が流れ込んだ。「もう田植えはできん」と諦めていたが、4月ごろからボランティアの協力を得て流木の撤去や高さ40センチほどのあぜ道の補修を完了、田植えに間に合った。伊藤さんは「夫と2人では絶対無理だった。感謝しても、しきれません」と笑顔を見せる。

 豪雨以降、毎週末ボランティアに参加し、伊藤さんの田んぼで何度も作業した北九州市小倉南区の長谷川学さん(65)と喜代子さん(62)夫婦は「田植えに集まる一家だんらんの様子を見て、苦労のかいがあった」と話す。

 自らボランティアとして働き、今後、農地復旧を支援する団体の立ち上げを検討している原田耕二さん(56)=日田市=は「被災で耕作を諦める前に気軽に相談してほしい。力になりたいと思う人も募集している」と話している。

=2018/06/13付 西日本新聞朝刊=

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