防災士2人が教訓紹介 「集落で避難基準」「危険箇所を把握」 日田で研修会

豪雨当時の避難の状況などを語る藤井隆幸さん(手前)
豪雨当時の避難の状況などを語る藤井隆幸さん(手前)
写真を見る
「二度と悲しいことが起こらないようにしてほしい」と強調する石井幹夫さん(右)
「二度と悲しいことが起こらないようにしてほしい」と強調する石井幹夫さん(右)
写真を見る

 昨年7月の九州豪雨で3人が死亡した日田市は24日、豪雨から1年を迎えるのを前に防災士向けの研修会を市役所で開いた。大鶴、小野両地区の防災士2人が当時の状況や豪雨後に避難に関して新たなルールを設けたことなどを紹介。「二度と犠牲者を出さないために、私たちの経験や教訓を生かしてほしい」と、地域防災をけん引する防災士の意識向上を呼び掛けた。

 家屋の8割が被災した大鶴地区上宮町の防災士で自治会長の藤井隆幸さん(69)は、山間部の上宮町付近では市中心部に比べ1・7倍の雨が降ったことを示すデータや「川の岩が隠れたら避難」など独自の避難呼び掛けの基準を設けていたことを紹介した。逃げ遅れて自宅にとどまってしまい、奇跡的に助かった住民もいたことを踏まえ「怖いと思ったら、行政の避難情報を待たず早めの自主的な避難が必要だ」と呼び掛けた。

 一方、大規模土砂崩れが発生し、消防団員1人が亡くなった小野地区の防災士石井幹夫さん(68)は、崩落の瞬間を撮った写真を示して緊迫した当時の状況を振り返った。犠牲となった消防団員とは崩落直前に会ったといい、「現場は崩れやすい山として知られていたが、誰もあんなに大きな崩落になるとは考えてもいなかった。(危険性を)十分に認識していれば救えた命だったはず」と悔しさを口にした。石井さんは、豪雨後、自宅があった集落では「避難準備・高齢者等避難開始」が出された時点で全員が避難することをルール化し、訓練も行ったと紹介。「二度と悲しいことが起こらないようにしてほしい」と訴えた。

 研修会は、市防災・危機管理課が防災士のスキルアップを図ろうと開催。防災士や自治会役員ら約100人が参加した。

=2018/06/29付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]