プロもうなる卵白の力 福岡・糸島「つまんでご卵」のロールケーキ

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 「つまんでご卵」。福岡県糸島市志摩桜井に平飼いの養鶏場を開いた早瀬憲太郎さん(70)が、皿に盛った鶏卵から黄身だけ指先でつまみ上げられる自分の卵を、こう名付けたのは約30年前のこと。

 自然の光と風が入る鶏舎で、1日1万歩は歩くという「万歩鶏」が産む卵は健康そのもの。その力を加工品でも生かそうと、憲太郎さんが手掛けたのがケーキ作りだった。

 パートナーに選んだのは、地元のアイガモ農家が生産した無農薬小麦を石臼でひいた小麦粉。

 粉の専門家からは「香りはいいけど、国産じゃ、膨らみが足りないから無理」と言われたが、作ってみると卵白の力で逆に膨らみ過ぎるほど。「つまんでご卵の底力は、黄身だけではなかったんです」と、後継者の憲一さん(30)は言う。

 そして2008年、二見ケ浦や桜井神社など糸島の人気スポットの近くに「つまんでご卵 ケーキ工房」を開店。ロールケーキ「糸島ロール」=写真=を世に出すと、舌の肥えたケーキファンに評価され、糸島名物の一つになった。

 明るい店内で、薄い茶色のスポンジが、クリームで描いた「6の字」を包む糸島ロールをいただいた。

 まずフォークでスポンジだけを切り取ると、香ばしい穀物の香りが。次にクリームと合わせて口の中に入れると、その味わいの上品なこと。

 私自身、甘いのはそう得意ではないのだが、うまいものはうまい。紅茶を片手に至福の時を味わった。

 ▼つまんでご卵ケーキ工房 糸島ロールは大(長さ18センチ)1890円、小(同12センチ)1470円。27日から7月1日までは10周年記念セールで、それぞれ1300円、1000円に割引。全て税込み。電話=092(327)5850(平日は午前11時~午後5時、土日・祝日は午前10時半開店。火曜定休。ネット販売あり)

=2018/06/23付 西日本新聞夕刊=

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