アメンボ 水面に浮いて 素早く捕まえる

水面に浮いているところ。足先の水面がくぼんだ様子が分かる。足には目に見えない細い毛がたくさん生えており、それによって浮力を得ている
水面に浮いているところ。足先の水面がくぼんだ様子が分かる。足には目に見えない細い毛がたくさん生えており、それによって浮力を得ている
写真を見る
公園の池の片隅(かたすみ)で仲間と群(む)れをつくって泳いでいるアメンボ。こうして泳ぎ回りながら、落ちてくる獲物を捕らえたり、オスはメスを追いかけて交尾(こうび)したりする
公園の池の片隅(かたすみ)で仲間と群(む)れをつくって泳いでいるアメンボ。こうして泳ぎ回りながら、落ちてくる獲物を捕らえたり、オスはメスを追いかけて交尾(こうび)したりする
写真を見る
落ちてきた小さいハエに群(むら)がって体液を吸っているところ
落ちてきた小さいハエに群(むら)がって体液を吸っているところ
写真を見る

 水面をスイスイと泳ぐアメンボは、泳いでいるといっても、実際には体を水に漬けているのではありません。6本の足先だけを水面上に乗せ、体は宙に浮かせて、スケートのように滑っているのです。普通だったら重い体で足先は沈み、体が水に着いてしまうはずですが、水の表面張力と浮力によって浮いているのです。

 その証拠に、よく見てみると、足が接している水面の部分が、アメンボの体の重みでくぼんでいるのが分かります。水面を滑るように行き来しながらのんびりしているかと思うと、突然すごい速さで仲間と追いかけっこをします。その非常にすばしっこい動きは、食料となる獲物を捕らえる際に最も発揮されます。

 アメンボの獲物となるのは、水面に落ちてくる他の昆虫たちです。飛んでいるときや、上の方にある枝先などからうっかり水面に墜落すると、そこで待ち構えているアメンボが目にも止まらぬ速さで飛びかかって、針のようにとがった口をその体に突き刺して血(体液)を吸ってしまうのです。

 田舎に住んでいると、雨上がりの路上にできた小さな水たまりに、アメンボが泳いでいるのを見かけることがあります。「どうしてこんなところにいるんだろう」といつも不思議に思っていたのですが、何のことはない、アメンボも空を飛ぶことができるのです。

 アメンボというこの名前、捕まえて嗅いでみると分かるのですが、あめのような甘いにおいがするので付けられた名前だったのです。


=2016/05/17付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]