テレビショッピング 生放送の舞台裏 「ジャパネットたかた」訪ねて 長崎県佐世保市

生放送の実演とモニターを見比べながら、MCや裏方さんたちを間近で見た
生放送の実演とモニターを見比べながら、MCや裏方さんたちを間近で見た
写真を見る
本社内にあるコールセンターでもたくさんの人が働いていた
本社内にあるコールセンターでもたくさんの人が働いていた
写真を見る
MCの(右から)丸尾さん、中島さんに話し方のこつなどを聞いた
MCの(右から)丸尾さん、中島さんに話し方のこつなどを聞いた
写真を見る
「ジャパネットたかた」の前身となったカメラ店の模型
「ジャパネットたかた」の前身となったカメラ店の模型
写真を見る

 ●緊張と迫力 裏方さんも大活躍

 テレビショッピングって知ってる? テレビで商品を紹介し、見ている人が電話などで購入の申し込みをする通信販売の一つだ。長崎県佐世保市にある有名な「ジャパネットたかた」をたずね、テレビショッピングの生放送の舞台裏をのぞいた。

【紙面PDF】テレビショッピング 生放送の舞台裏 「ジャパネットたかた」訪ねて

 □ □

 私たちが訪ねたのは日曜日の昼すぎ。本社ビルの中にある撮影スタジオで、約2時間のテレビ生放送が始まっていた。「スタジオ内では大きな音を出したり、床にあるケーブルをふんだりしないでね」と、案内してくれた社員の木寺優子さん(38)に言われ、息をひそめて緊張しながらそっとスタジオに入ると-。

 「期待はうらぎりません!」「ずばり、いきますよ! お値段…」

 耳に飛び込んできたのは、スタジオ内にひびくMC(商品紹介者)の中島一成さん(43)と丸尾詩織さん(27)の大きな声。5台のカメラがあり、裏方さんもきびきび動く。空気がはりつめている感じがした。生放送だからMC2人は商品映像の間に、次に紹介する商品を展示しているセットまですばやく移動。そして「5秒前!」のかけ声と同時に、笑顔をととのえ“撮影モード”に入っていた。

 スタジオ内には、視聴者からどれくらい電話がかかってきているかリアルタイムで分かるモニターもあり、MC2人も裏方さんも気合が入っているように見えた。

 スタジオを出ると、木寺さんが「MCは話し方になまりがあるなど決して上手じゃないけれど、『商品の良さを伝えたい』という情熱でしゃべってます」と教えてくれた。MC歴18年の中島さんは、もともとは番組を作る制作スタッフだったが、創業者で自らもMCを務めていた高田明さん(68)からMCにばってきされたそうだ。

 スタジオと同じ建物の中に、電話でお客さんの対応をするコールセンターもあった。のぞいてみると、テレビで紹介した商品を求めてどんどん電話がかかってきていた。「テレビショッピングはテレビにうつるMCだけでなく、裏で働く人がたくさんいて成り立っているんだよ」という中島さんの話に納得した。

 ●心つかむ話し方 ゆっくり 分かりやすく

 商品が目の前にないのに、なぜ買いたくなるのだろう。上手に商品を紹介し、視聴者の心に訴えるジャパネットたかたのMC、中島一成さんと丸尾詩織さんに人の心をつかむヒントをもらった。

 丸尾さんは「その商品が家にあったら、生活がどう変わるか、イメージできるようにしゃべります」と教えてくれた。例えばテレビを売るときは、新しいテレビを囲んだ家族だんらんの様子などを視聴者が思いうかべられるよう心がけているそうだ。中島さんは、商品の知識を深めることはもちろん、今年の夏は暑くなるかどうか、といった天気の情報や世の中のニュースも頭に入れておくことで、よりトークに深みが出るという。

 話し方のこつもある。丸尾さんは「ゆっくり分かりやすく、むずかしい言葉を使わないこと」。中島さんは「伝えたいことを言う前は、少しだけ黙る」と笑い、「間のとり方」も教えてくれた。

 私たちが学校などで自己紹介や発表をするとき、どうしたら上手に伝えられるだろう。中島さんは「人に何か伝えなきゃと思うと、緊張しちゃうよね。実は、うまくしゃべろうとしないことがポイント」と話す。例えば「好きな食べ物」など、伝えたいことを一つだけ決めて話すといいそうだ。丸尾さんは「相手の目を見て、笑顔で話すこと」とアドバイスしてくれた。

 ●わキャッタ!メモ

 ▼ジャパネットたかた 本社は長崎県佐世保市日宇町。創業者の高田明さんが家業のカメラ店から独立して、1990年にラジオショッピングをスタート。94年からテレビショッピングを始めた。ほかにも新聞折り込みチラシやインターネットでの通信販売もしている。

【紙面PDF】テレビショッピング 生放送の舞台裏 「ジャパネットたかた」訪ねて


=2017/07/01付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]