【きょうのテーマ】ボランティアで日本語を教える 福岡市の「小さな国際交流の会」を訪ねて

会話の練習では、私たちの質問に外国人が答えてくれた
会話の練習では、私たちの質問に外国人が答えてくれた
写真を見る
外国人と並んで日本語の授業を受けた
外国人と並んで日本語の授業を受けた
写真を見る
体の部位を日本語でどう言うかを学んだ
体の部位を日本語でどう言うかを学んだ
写真を見る
授業のあとは握手してお別れした
授業のあとは握手してお別れした
写真を見る
写真を見る

 ●お互いを理解するためには言葉が大事

 街を歩けば必ずと言っていいほど外国人に出会う福岡市。住んでいる外国人も年々増えている。でも中には日本語がうまく話せない人もいるので、ボランティアで日本語を教える市民グループが市内各地で活動している。その一つ「小さな国際交流の会」を訪ねると、言葉の壁を乗りこえて心を通わせる人たちがいた。

【紙面PDF】きょうのテーマ ボランティアで日本語を教える 福岡市の「小さな国際交流の会」を訪ねて

 ホワイトボードを前に10人ほどの外国人と数人の日本人がなごやかに話していた。福岡市博多区にある福岡市国際会館の一室。「小さな国際交流の会」の代表、野口照代さん(73)が私たちを出迎え、「今日はみんなも外国人といっしょに勉強してみて」と言った。

 福岡市に暮らす外国人はおよそ3万5千人。10年前と比べて約1・7倍に増えている。この日は韓国や中国、マレーシア、南アフリカなどから来た人が日本語教室に参加していた。野口さんたちは市内5カ所で週に計7回、こうした教室を開いている。

 私たちも席に着いた。この日は体の部位の名前と、それらを使った日本の慣用句を学んでいた。「目からうろこが落ちる」「寝耳に水」など、日本人の私も初めて聞くようなものもあり、私の目からもうろこが落ちた(箱島記者)。

 クラスはシーンと静かな感じではなく、笑い声が出るなど参加者は楽しそうだった。感心したのは、外国人たちが分からないことは「分からない」とはっきり言い、まちがえも恥ずかしがらず、自分の考えを話していたことだ。

 ◇ ◇

 続いて、2グループに分かれ会話の練習をした。今回は私たちの質問に外国人参加者が答える形式で進めてもらった。私たちはそれぞれの国の食べ物や遊びなどたくさん聞いてみた。日本に来て驚いたのは「電車やバスの中で携帯電話の通話を控えるなど、日本人の多くがマナーを守り相手を思いやっている」こと、と複数の人が答えたことが、少し誇らしかった。

 また、日本人の夫がいるタイの女性は「子どもたちの方が日本語が上手。負けないように私も勉強している」と話していた。「中国や韓国の子どもはスマートフォンやパソコンの使いすぎで目が悪くなっている」という話も興味深かった。

 最後は、「こんにちは」というあいさつを参加者の国の言葉でどう言うかを教えてもらった。「言葉はお互いを理解するために大事。相手を知れば、争い事や戦争も起きない」という野口さんの話が心に残った。

 ●「世界中に友達」 代表の野口さんが30年前に会を立ち上げ

 小さな国際交流の会は約30年前、代表の野口さん=写真=が立ち上げた。名前の通り、日本で暮らす外国人と草の根の交流を続けている。

 「今でこそ、たくさんの日本語ボランティア教室があるけれど、30年前はそうじゃなかった」と野口さん。1987年、日本の生活や文化に不慣れな留学生と、外国人との接し方が分からない地域住民が交流する場としてスタートした。

 料理教室などを企画しながら、留学生の悩みを聞いたり、国をこえた友達づくりに一役買ったり。留学生の家族から「日本語を勉強したいけれど、語学学校に高いお金を払って通えない」という悩みを聞き、日本語の学習をサポートする活動にも次第に力を入れるようになった。これまでに60カ国以上、6万人をこえる外国人が日本語教室に参加したそうだ。

 野口さんは活動を通して「世界中に友達ができた。海外での結婚式にも招待されたよ」と笑顔で話した。

【紙面PDF】きょうのテーマ ボランティアで日本語を教える 福岡市の「小さな国際交流の会」を訪ねて

=2018/05/22付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]