【きょうのテーマ】長く読まれる一冊作るには 「人を感動させようなんてことは考えない」

三浦太郎さん
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三浦さんが描いた子どもたちの顔の展示もある
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ステンシルを使って自分の顔を描いた
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 ●「おいでよ! 絵本ミュージアム」会場で 絵本作家 三浦太郎さんに聞く

 読書の楽しさを発信する特別展「おいでよ! 絵本ミュージアム」が福岡アジア美術館(福岡市博多区)で開かれています。展示の見どころの一つが「くっついた」(2005年)などのロングセラーで知られる絵本作家、三浦太郎さん(49)のコーナーです。こども特派員が会場で三浦さんにインタビューし、絵本への思いを聞きました。

【紙面PDF】きょうのテーマ=長く読まれる一冊作るには

 -子ども時代に好きだった絵本は? 夢は何でしたか?(本間)

 「実はこの絵本をよく読んだなという記憶があまりない。図鑑ばかり見ていた。夢は画家でした。まわりの大人は何をばかなことをと笑ってたけどね」

 -絵本を描こうと思ったきっかけは?(大久保)

 「広告のイラストを描いていて、どうすればみんなに僕の絵を長ーく見てもらえるかを考えた。いい絵本は読み継がれていく。そんな作品を作りたいと思った」

 -絵本を作るときに気をつけていることは?(柴田)

 「例えるなら絵本は小さな箱。入れたい物が二つ三つあっても一つだけにする。赤ちゃん向けの『くっついた』はひたすら何かにくっつくお話。その方が面白さがより伝わる」

 -絵とお話、先に考えるのは? 心がけていることは?(梶原)

 「やはり絵ありきですね。こんな絵ならこんな話を付けようと、自然にできていく。いいことを書こう、人を感動させようなんてことは考えないようにしています」

 -アイデアはどんな時に浮かぶ?(五島)

 「朝、寝起きのままでコーヒーを飲みながらぼーっとしている時。自分でも不思議だね」

 -やりがいとつらさは?(篠原)

 「文字も含めてあらゆる形や色を自分で一から十まで作れる。何も無いところからアイデアが浮かび、本になる不思議さを楽しんでいる。つらいのは…誰にも会わずにずっと部屋に閉じこもって仕事をして『あれ今日は何日だっけ?』となっちゃう時かな」

 -絵本の読み聞かせをしています。文字が無いページをめくるタイミングを教えて。(小野)

 「聞いてくれているみんなが『ページをめくって』という顔をしたら『はいっ!』て感じで先に進むといいと思います」

 -三浦さんにとって絵本とは何ですか?(安河内)

 「自分の全てが入った1本の短い短い映画のようなもの。声や動きなど僕のイメージが伝わればうれしい」

 ●こども特派員 自画像に挑戦

 こども特派員は会場であった三浦さんのワークショップにも参加した。絵本「ワークマン ステンシル」では、付録のステンシル(記号などの形を切り抜いた作画用のシート)を使って、子どもがページに絵を描けるようにするなど、三浦さんは新たな絵本の作り方や楽しみ方を提案している。

 ワークショップのテーマは「自画像」。三浦さんは考案した「顔ステンシル」を配り、「どこをどう使ったら面白い顔になるか自由に描いて。未来の自分でもいいよ」と呼び掛けた。こども特派員たちは「自分ってどんな顔」「自分は何になりたいのか」と考えながらペンを走らせた。自分の顔を描くことは自分を見つめ直すことだった。

 8人全員が出来上がった作品を披露すると=写真、参加者から「似てるね」と拍手が起こり、絵を描く喜びを感じた。三浦さんの「絵がへただという人は自分がそう思っているだけ。絵の描き方はいろいろある。自分に合ったやり方を探そう」という言葉にうなずいた。

 ●わキャッタ!メモ

 ▼NTT西日本スペシャル おいでよ! 絵本ミュージアム2018 19日まで福岡市博多区の福岡アジア美術館。「はじめてのおつかい」や「おばけのバーバパパ」など人気絵本の世界を立体作品や映像などで再現している。入場料は一般1000円、高大生700円、小中生500円、未就学児無料。会期中無休。同美術館=092(263)1100。

【紙面PDF】きょうのテーマ=長く読まれる一冊作るには

=2018/08/02付 西日本新聞朝刊=

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