【きょうのテーマ】別府竹細工の魅力を探った 温泉の街が生んだ工芸品 編み方多彩 生活に潤い

展示場の入り口には竹ひごを使ったアーチもあった
展示場の入り口には竹ひごを使ったアーチもあった
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竹細工は美術工芸品としても人々に親しまれている
竹細工は美術工芸品としても人々に親しまれている
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竹細工のかごは、農家で野菜を運んだり、米などをふるいにかけたりする時に使われていた
竹細工のかごは、農家で野菜を運んだり、米などをふるいにかけたりする時に使われていた
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伝統工芸士の大谷健一さん(左)にインタビューした
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 大分県別府市には温泉の街ならではの伝統工芸品がある。日用品の小物から大きな芸術品まで幅広く親しまれている「別府竹細工」だ。別府市竹細工伝統産業会館を訪れ、こども記者たちが魅力を探った。

【紙面PDF】きょうのテーマ=別府竹細工の魅力を探った

 展示場の入り口で、高さ約2メートルのアーチに迎えられた。材料は竹を割って作った竹ひご108本。見上げながらくぐると、天井が動いているような感覚がした。アーチを抜けると、竹ひごを編んで作ったかごや帽子、かばんやオブジェがずらり。会館職員の皆本博之さん(42)が「編み方は大きく分けて6種類。職人が作品に合うように工夫して、無限の編み方が生まれる」と説明してくれた。

 竹細工は昔から日本各地で米や野菜を入れるかご、物を収納する箱などに使われてきた。別府では江戸時代、温泉で病気を治療する湯治客が宿で自炊する時に使うざる、入浴時に小物を入れるかごなどが売られるようになり、地場産業として定着。その後、飾り物などの芸術品も作られるようになった。良質のマダケが多く採れる地域だったこともあり、竹細工の文化が根付いたようだ。

 ◇ ◇

 2階の工房では、竹細工教室の生徒たちが竹ひごを作っていた。竹細工全体の2割が編む作業で、ほとんどの時間を材料の竹ひご作りに費やすという。指導していた伝統工芸士の大谷健一さん(52)が実演してくれた。メリメリ、バリバリ。竹を包丁で割り、内側の余分な部分をそぐと1分足らずで幅1ミリ以下、厚み0・5ミリの竹ひごができた。簡単そうに見えたが、大谷さんは「かごを上手に編めるようになるには1年以上かかるよ」と笑った。

 竹細工はどんな形にもできるおもしろさがあるが、「思った通りにできることは少ない」と大谷さん。「お客さんのリクエスト通りの物ができて、喜んでもらえた時が一番うれしい」とやりがいを教えてくれた。

 竹細工の製品は手提げかごやごみ箱、フルーツ皿など、プラスチック製の方が安く買える物が多いが、皆本さんは「竹細工は生活に潤いを与えてくれる。物を大切に扱おうという気持ちにもなれる」と話し、私たちも大きくうなずいた。

 最近では、透明なアクリルで竹細工を固めた花瓶などのインテリア、イヤリングなどのファッション小物も作られている。素材の珍しさや細かい手仕事に引かれ、欧米から会館に訪れる人も増えているという。

 ●竹鈴作り体験 3色の竹ひご編み込む

 こども記者は竹鈴作りを体験した=写真。鈴の周りを竹ひごで編んで囲った直径約4センチのボールに、3色の竹ひごを編み込んでいく作業だ。赤、緑、黄色の竹ひごは長さ約20センチで、曲げても折れにくい柔軟性がある。多くの竹細工と同じく、マダケという種類の竹を使っているという。

 竹ひごには表も裏もないように見えるが、ザラザラした縦筋があるのが内側、ツルツルとしているのが外側。外側が見えるように編み込むのがこつだ。ボールには六角形と三角形の穴がいくつもあり、六角形の穴から穴へと竹ひごを通す。清水記者は「竹ひごが折れて難しかった」、川原記者は「カラフルでかわいい」と振り返った。

 職人の場合、この作業は5分足らずで終わるという。塩津記者は「私たちは20分もかかったのに」と職人のスピードに感動していた。

 ●わキャッタ!メモ

 別府市竹細工伝統産業会館 別府竹細工の技法や歴史、名工の作品を紹介するコーナーなどがある。3月にオープンした併設のカフェでは竹細工のバッグやアクセサリーなどを購入できる。JR別府駅、東九州自動車道別府インターチェンジからいずれも車で約10分。入館料は小中学生100円、高校生以上300円。竹鈴作りなどの体験学習は400円から。毎週月曜休館。電話=0977(23)1072。

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=2018/09/04付 西日本新聞朝刊=

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