【きょうのテーマ】段ボールでアイデア商品 大国段ボール工業(福岡県行橋市)を訪ねて

ネコの爪研ぎを少し変形させた置物
ネコの爪研ぎを少し変形させた置物
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段ボールをレーザーで自在に切れる機械もあった
段ボールをレーザーで自在に切れる機械もあった
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積み上げられた段ボールシートも工場内にあった
積み上げられた段ボールシートも工場内にあった
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バイオリンを模した置物
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段ボールの「金庫」作りにチャレンジした
段ボールの「金庫」作りにチャレンジした
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 ●社内は「おもちゃ箱」 板状からいろんな形に

 段ボールを使って、おもちゃの木馬や金庫、ネコ用の爪研ぎなど、さまざまなものを作っている会社が、福岡県行橋市にある。「大国段ボール工業」だ。ユニークな会社を訪ね、社長さんといっしょにものづくりの楽しさを体験した。

【紙面PDF】きょうのテーマ=段ボールでアイデア商品

 「デザイン室」という部屋に入ると、そこはおもちゃ箱のようだった。お城や恐竜などの置物がたくさん並んでいた。ふつうのおもちゃと違うのは、すべて段ボールでできているところ。よく見ると机やカレンダー、「故障中」という紙がはられたエアコンも、段ボールでできていた。

 案内してくれた社長の寺沢一光さん(64)は「エアコンは動かないから『故障中』。段ボールだから動かないんだけどね」と、いたずらっ子のように笑った。

 寺沢さんの会社は、板のような段ボールシートを仕入れ、切ったりプリントしたりして、使える形にして売っている。例えば野菜や電気製品などを出荷し運送するときに入れる箱だ。一方、軽くて丈夫で、再生可能な段ボールの良さを生かしたいと、デザイン室にあるようなオリジナルのアイデア商品も作っている。

 私たちが気になったのは、S字状の不思議な形の置物。「ネコの爪研ぎなんですよ」と寺沢さん。S字形に切り出された段ボールが何枚も重なっていた。爪を研ぐだけでなく、ネコが上って遊ぶこともできる。寺沢さんは「ネコ好きの知り合いに、ネコは段ボールと丸くて高いものが好きと聞いてひらめいた」と話す。

 これがすぐれたデザインの製品などに贈られる賞をとり、「注目されるようになった」という。イベント用の展示物や工作キットなどができないかと、いろんな相談が舞いこんでくるようになった。

 工場を案内してもらった。広さはおよそ9900平方メートルあり、かけっこができるくらい広い。段ボールを切ったり、プリントしたりする機械があった。約30人が働き、女性が多いと聞いて意外だった。

 私たちが興味を持ったのは板状の段ボールをレーザーで切る機械。パソコンとつながっていて、複雑で細かい形も0・1ミリの誤差の範囲で切れる。板状の段ボールがいろんなものに生まれ変わる様子が、心に残った。

 ●子どものおもちゃ作りが原点 社長の寺沢さん

 寺沢さんが段ボールでユニークな商品を作るようになった原点は、「自分の子どもに作ってあげていたこと」だという。

 お父さんから引きついだ会社を切り盛りする寺沢さんは、2代目の社長。ずっと「物をつつむ箱」を作って売っていたけれど、新しい商品を作りたいと考えていた。思い出したのが、自分がお父さんとして子どもに作ってあげたおもちゃ。「ミニカーのレーン、刀や手裏剣など遊びながら作っていた」と話す。その2人の息子さんは今、30代になり会社を手伝っているそうだ。

 私たちも、寺沢さんが考えた工作キットの一つを使って、「段ボール金庫」作りにチャレンジした。あらかじめ切り出された段ボールを組み立て、のりでくっつけていく。難しかったのが、ダイヤル式の鍵を作る作業。ダイヤルがうまく回るためには、段ボールの部品をきれいにはり付けなければいけない。私たちのうち2人は、できあがった後に鍵が開かずに苦戦した。

 寺沢さんは「失敗して、間違いをさがして、やり直すことが大事」とはげましてくれた。

【紙面PDF】きょうのテーマ=段ボールでアイデア商品

=2018/11/13付 西日本新聞朝刊=

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