【こども記者だより】アウシュビッツで平和考えた ほか

収容所の入り口「死の門」に続く線路
収容所の入り口「死の門」に続く線路
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「働けば自由になる」と記された門を見上げる
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ユダヤ人らから奪った大量の食器の展示にぼうぜんとした
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ボディーパーカッションについて話す山田さん
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ボディーパーカッションにチャレンジする参加者たち
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 きょうは、こども記者だより特集です。ポーランドにあるナチス・ドイツの強制収容所跡に行ったこども記者と、地元の手話サークルの活動を取材したこども特派員からの報告です。

【紙面PDF】こども記者だより=アウシュビッツで平和考えた ほか

 ●アウシュビッツで平和考えた

 ▼福岡市・片江小6年 太記 寛子記者

 夏休みにポーランドにある世界遺産「アウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所」(マウォポルスカ県)に家族で行った。ここに収容されたユダヤ人の少女、アンネ・フランクの生涯を描いた漫画を読んで、どうしても見ておきたいと思ったからだ。

 県都クラクフの公認ガイド、カプスシュイック・綾香さんが通訳をしてくれた。この収容所は1940年にナチス・ドイツが建設し現在、所内の一部は博物館になっている。収容所の入り口「死の門」を過ぎると線路があった。かつてはヨーロッパ各地につながり、多くのユダヤ人が列車で運ばれ、ビルケナウ収容所に入れられた。まわりは開けていて、さわやかな風が吹いていたが、当時は1羽も鳥が鳴かない、死んだような場所だったそうだ。

 ユダヤ人が労働する工場があったアウシュビッツ収容所で「働けば自由になる」という言葉が掲げられた門を見上げた。この言葉は私には「働いて死ねば自由になれる」という意味に思えた。ここでは労働力にならない人はガス室で殺された。

 修復されたガス室があった。正直入りたくなかった。でも見なければ。苦しんだ人が壁につけたつめあとがあった。入所時にユダヤ人らから奪った大量の食器の展示も見た。どれだけの人の平和な日常が消えたのかとぼうぜんとした。

 綾香さんは「戦争を経験した人は悲しくなるからここへは来ない」と語り「アウシュビッツは未来がある若い人にこそ見に来てほしい場所です」と力を込めた。私はこの言葉に胸が熱くなった。本で学ぶより、実際に目で見たほうが恐ろしさが伝わった。今も戦争をしている国に平和の大切さを呼びかけたい。

 ●わキャッタ!メモ

 ▼アウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所 1940年、ナチス・ドイツの占領下にあったポーランド南部のオシフィエンチム(ドイツ語名アウシュビッツ)郊外に最初の収容所が建設された。ユダヤ人迫害の拡大による収容者増で、第2収容所ビルケナウ、第3収容所モノビッツ(破壊され現存せず)がつくられた。45年の解放までにユダヤ人を中心に110万~150万人が死亡したとされる。アンネ・フランクは44年に収容されたが、ドイツ国内の収容所に移され、45年に15歳で病死した。

 ●ボディーパーカッションを考案 山田俊之さんを取材した みんなが音楽を楽しめるように

 ▼福岡県筑後市・羽犬塚中1年 荒木 奎樹特派員

 聴覚に障害があっても、振動やリズムを楽しめる「ボディーパーカッション」を体験する講座が10月28日、福岡県筑後市で開かれた。私も参加し、講師をつとめた九州大谷短大幼児教育学科教授の山田俊之さん(64)を取材した。

 講座は、私もときどき参加する筑後市の「ちっご手話サークル」の活動の一つ。山田さんは手拍子やひざ打ち、おなかをたたくなどの身体活動を、コミュニケーション能力を高める表現教材として考案し、教育現場などに広めている。

 考案したきっかけは、山田さんが小学校の先生だったとき、暴れ回る男の子がいたこと。授業中にも教室を飛び出すような子だったが、給食時に流れる音楽を聞くと、手拍子をして楽しんでいた。そんな子どもに授業に興味を持たせようと取り入れたのが、ボディーパーカッションだった。指揮する先生の動きをしっかり見ようと、子どもの集中力が高まるそうだ。

 その後、聴覚障害の子どもたちも体の振動やリムズを楽しんでほしいと、特別支援学校などにも教えに行くようになったそうだ。「聞こえなくても音楽は楽しめる」という山田さんの言葉が印象に残った。

 この日の講座には、聴覚に障害のある人もそうでない人も合わせて55人が参加し、山田さん作曲の「手拍子の花束」を演奏した。会場には手拍子、おなかやおしりをたたく音、和太鼓の音も響き、リズムを取って体を動かす参加者の笑顔が広がった。参加者の一人、馬場美紀さん(47)は音が聞こえないから音楽に興味がなかったが、初めてボディーパーカッションを体験して「音を体全体で表現できて、すばらしいと感じた」と話していた。

【紙面PDF】こども記者だより=アウシュビッツで平和考えた ほか

=2018/11/27付 西日本新聞朝刊=

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