福岡YWCAのボランティア教室を訪ねて 外国から来た子どもたち「勉強したい!」と集う場

福岡YWCAの子ども向け日本語教室は学年ごとに分かれ、少人数で学んでいる
福岡YWCAの子ども向け日本語教室は学年ごとに分かれ、少人数で学んでいる
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日本語の読み書きを練習するワークシート。子どもたちがえんぴつで力強く字を書いていた
日本語の読み書きを練習するワークシート。子どもたちがえんぴつで力強く字を書いていた
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野崎さん(右から2人目)と楽しく会話しながら、日本語を学ぶ子どもたち
野崎さん(右から2人目)と楽しく会話しながら、日本語を学ぶ子どもたち
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 ●日本語学習、熱心に

 友だちと離れ、言葉も通じない国で学校に通うことって想像できますか。日本で働く外国人が120万人を超す今、家族といっしょに日本で暮らし始めた子どももいます。多くが日本人と同じ学校に通い、日本語の勉強もがんばっています。福岡市の公益財団法人・福岡YWCAが開くボランティアによる子ども向け日本語教室を訪(たず)ねると、熱心に学ぶ子どもたちがいました。

【紙面PDF】福岡YWCAのボランティア教室を訪ねて

 「ぶどう、ブドウ、もも、モモ、きゅうり、キュウリ…」。インドネシアなどから来た小学1、2年生の子どもたちが、色とりどりのペンで力強く紙に書いていく。頭に大きなスカーフをまいた女の子もいる。スカーフはイスラム教徒の女性が髪の毛をかくすために頭に着けるヒジャブと呼ばれるものだ。

 福岡市早良区の福岡YWCA会館。毎週土曜日、外国から来た小学生から中学生まで約40人が、日本人のボランティア講師といっしょに日本語の勉強に励んでいる。この日、講師をしていた福岡YWCAの理事、野崎千代さんが「キュウリ食べたことある?」とたずねると、子どもたちは「ある!」と声をそろえ、「字が上手になってきたね」とほめられると、うれしそうな笑顔を見せていた。

 休憩時間、低学年の子たちは木のおもちゃを興味津々の様子でさわり、中学生たちはおしゃべりを楽しんでいた。

 「ハッピースクール」と呼ばれるこの教室は、2003年にスタート。中国、オーストラリア、フィリピンなど、通っている子どもたちの生まれた国はさまざまだ。家族の仕事などで母国を離れて日本に来たため、日本語が分かるレベルもさまざま。教室では高校生までを受け入れていて、学年ごとに2~5人ずつのグループに分かれ、本やカードなどを使って学んでいる。ボランティア講師は、YWCAが35年前から開く日本語教師養成講座で、日本語を教えることを学んだ人たちが中心だ。

 中国出身で、1年半以上教室に通う中学2年、馬天一さんは「日本語の敬語が難しい」と照れ笑いする。「先生たちが優しく、くわしく教えてくれるのが良いところ」と話し、家でも勉強を欠かさないそうだ。

 子どもたちを長年見守る野崎さんは「日本語が分からないと、学校の授業についていけず、こまったりつらい思いをしたりする。そうならないようにお手伝いしたい」と話している。

 ●日本語指導、必要な子ども増える 全国に4万4000人

 文部科学省によると、日本語で日常会話が十分にできなかったり、学校の授業などに参加するのに十分な日本語力がなかったりする子どもは、全国に約4万4千人いる(2016年現在)。10年前に比べて約1・7倍になった。そのため公立の小中学校では2014年から、日本語の指導が必要な子どもたちは、一部の授業時間を日本語学習に置きかえて勉強できるようになった。これ以外でも、放課後に日本語指導の先生といっしょに勉強している子もいる。

 福岡市の市立小中学校でも日本語学習のサポートを行っている。市内の12小中学校に日本語指導担当教員を配置。12校のほか、日本語の指導が必要な子どもがいる近くの小中学校に出向いて、授業をしている。市教育委員会によると317人がこの授業を受けている(18年2月現在)。

 一方、福岡よかトピア国際交流財団によると、福岡市や近郊で活動するボランティアによる子ども向けの日本語教室はYWCAのほか、「かすがこどもにほんごクラス」(福岡県春日市)がある。また親子向けの香椎浜小学校親子日本語教室よるとも会(福岡市東区)も活動している。

 日本は少子高齢化で人手不足が問題になっている。政府は外国人労働者の受け入れを増やす政策を進めていて、日本語指導の必要性はますます高まるとみられている。

【紙面PDF】福岡YWCAのボランティア教室を訪ねて

=2018/12/11付 西日本新聞朝刊=

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