【NIE 教育に新聞を】NIE福岡県大会 柳川市の柳河小で公開授業

5年2組の児童は、小学生の新聞投稿を読んで自分の主張を伝える作文の書き方を学んだ
5年2組の児童は、小学生の新聞投稿を読んで自分の主張を伝える作文の書き方を学んだ
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記事の感想の発表で活発に手を挙げる4年1組の児童
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4年1組では水源を守るボランティアの活動を紹介した記事から水の大切さを考えた
4年1組では水源を守るボランティアの活動を紹介した記事から水の大切さを考えた
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「掘割新聞」を作った6年生の寺崎さん(右)と河野さん
「掘割新聞」を作った6年生の寺崎さん(右)と河野さん
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 ●一つの記事から広がる学び 新聞を教材に

 NIE(教育に新聞を)の福岡県大会が11月16日、同県柳川市の柳河小で開かれた。県教育委員会や新聞社などでつくる県NIE推進協議会の主催で、今回が13回目。新聞を教材にした公開授業やパネルディスカッションがあった。本紙記事から水の大切さを考えた4年1組の授業と、本紙のこども投稿欄「ひまわり」を参考にした5年2組の授業を紹介する。

【紙面PDF】NIE 教育に新聞を=NIE福岡県大会 柳川市の柳河小で公開授業

 4年1組の授業は社会科で、水源である森林の保全がテーマだった。

 教室には、児童が柳川市の「水がめ」である寺内ダム(同県朝倉市)を事前に取材し、それぞれまとめた手書き新聞が掲示されていた。その新聞には「水は森林から生まれ、ダムなどを通じて私たちのもとに来ている」などと、現場で得た知識が書かれていた。

 担任の敷根寛太教諭(23)が「森はどのように守られているか考えよう」と児童に呼び掛けると、「森を点検してくれる人がいるのでは」などの意見が出た。敷根教諭は朝倉市の森林の持ち主の話として(1)森を維持するには植樹や草刈りが必要(2)1人で作業をしているので体がきつい-など、森を守る大変さを紹介した。

 続いて敷根教諭は「森を守る取り組みを資料から調べよう」と言って、柳川市民らで組織するボランティア団体が大分県玖珠町で水源を守るために植樹をしたという本紙記事のコピーを配った。読んだ児童は「人々の協力で水を飲むことができる。節水を心掛けよう」などと感想を述べた。

 授業を終えた敷根教諭は「新聞記事は情報がうまくまとめられているので、授業に取り入れることで児童は難しい資料も少しずつ理解できるようになってきた」と話した。

 ■投稿を読み、考える

 5年2組は国語の授業で小学生の新聞への投稿を読み、自分の主張を人に伝えるための文章の構成について考えた。前回の授業で、投稿とは「社会や身の回りのことについて、読者が意見を書いた記事」と学んでいた。

 この日は、担任の金子明美教諭(46)が本紙「ひまわり」欄に掲載された小学生の作文を紹介。「核兵器を減らすべきだ」と主張する文章のどの部分が序論、本論、結論に当たるかを考えた。金子教諭は「主張を伝える文章は、この三つで作られている」と説明した。

 授業では、作文を全員で読んだ。その後、金子教諭が「序論はどこ?」「結論は? そう思う理由は?」などと質問。児童たちが次々と手を挙げ「序論は1段落目だと思う」「主張の理由を書いているから、この部分は結論ではない」などと発表した。金子教諭は「序論と結論で主張を繰り返し、本論で理由を複数挙げると主張がはっきり伝わる」とまとめた。田中英視さん(11)は「教科書はなくても、一つの記事からいろいろなことが学べた」と満足そうだった。

 その後、児童たちは水郷・柳川のシンボル「掘割」と「和文化」のいずれかのテーマで作文を書き、「ひまわり」欄に投稿した。金子教諭は「新聞に載った同じ小学生の投書を読むことが、子どもたちの刺激になったと思う」と話した。

 ●記事がきっかけ、変わることも パネルディスカッション 児童と本紙記者らが参加

 同校の児童や本紙記者らがパネリストとして参加したパネルディスカッションも体育館で開かれ、約250人が聞いた。

 6年生の寺崎悠人さんと河野尊さんは、5年生の時に授業で「掘割」の魅力を紹介する新聞を作ったことを話した。「新聞記事などで掘割のことを調べると、昔は水が汚かったと知った」(寺崎さん)。「なぜ今はきれいなのかと調べると、記事で広松伝さんという人の存在を知った」(河野さん)という。

 広松さん(故人)は柳川市の下水路係長だった1977年、ごみの投棄などで荒廃した掘割の埋め立てに反対。市長を説き伏せて計画を撤回させ、市民と協力して掘割を再生させた。

 本紙の前柳川支局長で、広松さんの業績を紹介する記事を書いた鶴丸哲雄編集委員(55)は「私も支局に着任して知った話。そんなすごい人がいたのかと記事にした」と振り返った。記事がきっかけになって市の施設に広松さんを顕彰する常設展示ができたことを紹介し、「社会や地域にどんな働き掛けができるのかと考えながら記事を書くことで、世の中をいい方向にもっていけるのでは」と話した。

【紙面PDF】NIE 教育に新聞を=NIE福岡県大会 柳川市の柳河小で公開授業

=2018/12/18付 西日本新聞朝刊=

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