<57>体動かす楽しさ伝え

大濠公園で、西日本短大の学生と笑顔でウオーキングをする小鴨さん(右)
大濠公園で、西日本短大の学生と笑顔でウオーキングをする小鴨さん(右)
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●バルセロナ五輪女子マラソン日本代表 小鴨 由水さん

 私が2010年に非常勤講師に就任した西日本短大は、ヤフオクドームや大濠公園に近い福岡市中央区福浜にあります。健康スポーツコミュニケーション学科の学生にウオーキングやランニングを教えるには、絶好の環境でした。

 私は週1回の授業を担当していました。教科書をなぞる座学は雨の日にパパッと済ませ、授業はもっぱら屋外での実技です。

 まずは学生たちを学校の外に連れ出します。大濠公園を周回したり、西公園に登ってついでに景色を眺めたり、百道浜で砂浜を軽くジョギングしたりしました。私の練習コースを、そのまま体験させたのです。

 受験勉強で運動から離れていた学生が多いので、入学してしばらくは90分を楽しく歩かせることに専念しました。ウオーキングは、日頃運動していなかった人が、最も安全に運動に戻っていけるやり方なのです。

 ちょっと慣れてくると、学生を2人一組にして、1人は速足で歩かせて、もう1人を同じ速度でゆっくり走らせます。ここで、ぴんときた読者もいるでしょう。これが「ニコニコペース」のスロージョギングです。岩田屋時代にお世話になった福岡大の田中宏暁教授の専売特許でしたね。

 歩きながらのおしゃべりも完全に容認していますので、授業のにぎやかなこと。学生たちに「五輪の話を聞かせてください」と頼まれ、「バルセロナという街で、あなたが1歳の年にね…」なんて、昔話に花が咲くこともありました。

 そんなふうに進めたところ、私の授業は、飛び抜けて出席率が良いのです。時には、専攻していない学生が「運動不足なので」と飛び入りしてくることも。とにかく楽しく体を動かそうよ-。そんな私のメッセージを、学生たちが受け止めてくれていたのなら、私は幸せです。

 せっかくですから、私の講義の一部を、読者の皆さんにも紹介しますね。演題は、正しいウオーキングとランニングの仕方です。

 まずはウオーキング。歩くことは生活の基本です。健康寿命を保つためにも、毎日歩くことを心掛けましょう。覚えてほしいのは、必ずかかとから着地すること。つま先着地はふくらはぎの筋肉に負担をかけます。拳はあまり握り締めず、なるべく腕を振ります。そして背筋を伸ばして、サッササッサと歩くのです。ダラダラ歩きは禁物ですよ。

 続いてのランニングの講義はあすのお楽しみです。

=2018/06/08付 西日本新聞朝刊=

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