【人の縁の物語】<24>「ママ友」悩み多く 格付け、仲間はずれ… 「居場所」求めて

自らの子育て経験も踏まえ「違いを受け入れると気が楽になりますよ」と話す崎山祥子さん
自らの子育て経験も踏まえ「違いを受け入れると気が楽になりますよ」と話す崎山祥子さん
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 「ママカースト」なる言葉がある。夫の職業や収入、子どもが通う学校などで格付けし、序列をつけること。出産年齢が上がり、親の年齢層が幅広くなった今、親しい「ママ友」ができないと悩む人もいる。変わってきた母親同士の付き合い方について、6人に本音を聞いてみた。

 年齢が近い、家が近所、習い事が同じ…。何かと共通点を見つけては群れて、他者を寄せ付けない雰囲気を出す。そんな中で2児を育てているパートのAさん(31)=福岡県那珂川町=は「交流は疲れる」と漏らす。

 八方美人で、いろいろな集団にうわさを吹き込む人もいる。顔が広く、気の強い「ボスママ」からいじめられて引っ越した人もいた。「巻き込まれるのが嫌で深く付き合わず、一歩引いて見ています」

 自営業のBさん(47)=福岡市=は、高校生の娘2人を中高一貫の私立校に通わせている。数年前、嫌な思いをした。ある母親仲間から食器、洋服、持ち物を次々にまねされた。のちに経歴や夫の職業をうそで固め、うらやましがられようとしていたことも発覚する。

 「優位に立つことで、居場所が欲しかったのかも」。彼女には友人が少なく、母親同士の人間関係が全てだったようだ。

 「公園デビュー」という言葉が20年近く前に流行した。公園は、近所の子と仲良くなれるきっかけになる場所。主婦のCさん(43)=同市=も当時、娘と毎日のように通ったが、振り返ると「まるで義務でした」。

 行かないと「何で来なかったの」。子どもにブランド物を着せれば「どこで買ったの。家計に余裕があるの」。それでも子どもが仲間はずれにされるのが心配で通い続けた。「見えの張り合いでした」。その延長線上に「カースト」がある。

 パートのDさん(41)=同市=は陰湿な嫌がらせを目にした。嫉妬が原因で仲間はずれにされた母親の子ども以外は、おそろいのコップを買い、皆の前で使っていたのだ。「子どもも何か感じるはず。子どもまで巻き込むのは許せないし、教育にもよくない」と憤る。

 少子化が進み、ただでさえ仲間が少ない世界で居場所を失えば、孤立を深める。格付けなどは自分の立場を確保するための手段なのだろう。

 一方、8歳の娘がいるパートのEさん(39)=福岡県春日市=は、助けられることが多い。用事や仕事で帰宅が遅くなるとき、お互いの子を預かり合っている。家族ぐるみで出掛けることも多く「一緒に子育てしている」という実感がある。

 育児休業から復帰したばかりの会社員Fさん(30)=同市=は、保育所の送迎時にしか他の親と顔を合わせないが、その時間も急いでいてゆっくり会話ができない。それでも、同級生や同僚と違い、子どもを通して出会える貴重な存在。「子育ての悩みを共感し合いたい」と期待している。

 共有、共感…。母親仲間の付き合いで得るものも多い。福岡都市圏で配布する育児情報誌「リトル・ママ」編集部の崎山祥子さん(46)は、自身の子育て経験を踏まえ「考え方や生活スタイルが違うのは当たり前。違いを受け入れたら楽になります」とアドバイス。今、孤立している母親には「少し離れた地域の習い事に親子で通うなど人間関係を広げてみては」と提案していた。


=2013/07/09付 西日本新聞朝刊=

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