【君(ペット)がいるから】<17>ペットは飼い主の分身

ペットと飼い主は、どことなく似てくる
ペットと飼い主は、どことなく似てくる
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 あなたは犬派ですか? それとも猫派ですか? 私は毎日、たくさんの飼い主と接していますが、おもしろいもので、飼っている動物によって人の性格は全然違うように感じます。この「派閥診断」は結構よく当たります。

 例えば、犬の飼い主は社交的で明るくておおらか。非常に楽観的です。猫の飼い主は独立心があって、どこか一匹おおかみの雰囲気。律義で神経質な面もあります。

 一度診察して再診を1週間後に決めたとしましょう。ぴったり1週間目にやってくる確率は、圧倒的に猫の飼い主が高い。犬の飼い主は「調子がよかったので、もういいかなと思って…」とおおらかです。どちらがいいとか、悪いという話ではありません。私たちの病院では、こうした特性をしっかりと理解して柔軟に対応しています。

 少数派ですが、ハムスターや鳥、爬虫(はちゅう)類といった「エキゾチックアニマル」の飼い主にも大きな特徴があります。時間外の診察が多かったり、あまり多くを語らなかったり…。あくまで私の経験上の話で、確たる根拠はありません。

 ただ、ぜひお勧めしたいことがあります。猫派の人は、ぜひ犬と触れ合ってみてください。猫に触れた経験がない犬派の人も、猫のよさを探してみてください。何が分かるかというと「知らなかったことがあったんだ」ということが分かります。犬や猫について、知らないことがきっとたくさんあります。触れて飼育してみることで、気付くことがあるはずです。

 また、不思議なことにペットは飼い主に似てきます。性格はもちろん、顔つきも表情もそっくりで、ペットを見れば飼い主も容易に想像がつくくらいです。怖がりな飼い主のペットを見れば、同じようにびくびくしていることが多い。神経質な飼い主だとペットも非常に繊細です。

 それから、犬や猫も表現の上手下手はありますが、笑います。その笑顔さえも似るのです。照れたように笑う犬には、同じようにシャイな笑顔の飼い主がいます。豪快に笑う飼い主の横には、満面の笑みを浮かべた犬がいます。

 本当に不思議ですが、遺伝とは違う「ミラー効果」です。現代はペットと飼い主の距離が縮まる一方で、共有する時間もどんどん長くなっています。これだけいつも一緒にいれば、似てくるのは当然かもしれません。ペットは飼い主の姿を見て、そのまま映し出しているのです。実に忠実で、利口だと思いませんか。

 つまりペットは人間の相棒であり、分身でもあります。「うちの子」をまっすぐに見つめてみてください。ありのままのあなたの分身として、直視できますか。

(竜之介動物病院長、熊本市)


※この記事は2016/11/24付の西日本新聞朝刊(生活面)に掲載されました。

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