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防災のヒント 熊本地震1年<2>室内の備え 非常袋と家具を再点検

「熊本地震の体験談から学ぶ防災ヒントブック」の表紙
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家具の上に段ボール箱を載せる東島浩平さん。隙間ができないようにしたい
家具の上に段ボール箱を載せる東島浩平さん。隙間ができないようにしたい
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 地震対策の「基本のき」をおさらいする「防災のヒント」。今回は非常用持ち出し袋の準備と家具の転倒防止を確認する。「もうやってる」という人も、この機会に点検してみてはいかがだろうか。

 ◆個々に合わせた備え

 備える上で参考になるのが被災した人の経験。被災者の声をまとめた冊子「熊本地震の体験談から学ぶ防災ヒントブック」が昨年10月に出来上がった。設計会社の日建設計(東京)社員有志でつくるボランティア部が、現地でのボランティア活動の傍ら被災者約40人の話を集め、漫画やイラストを使ってまとめた。

 「あって良かったもの、なくて困ったもの」として挙がったのは運動靴、眼鏡、防寒着、ブルーシート、ウエットティッシュ、ガスこんろ、ラップ、リュックサックなど。熊本地震の発生は4月だったが夜は冷え込み、防寒着が必要だったという。車中泊ではバスタオルがカーテン代わりになり、座布団が倒したシートの段差をなくすのに役に立った、との声もあった。

 部員の一人で1級建築士の西勇さん(35)は「必要なものは家族構成や年齢、地域、季節によっても違う。市販の防災セットだけでは不十分で、自分たちに合わせた備えが必要と実感した」と話す。特に薬や生理用品は現地では手に入りにくかったという。被災後すぐに持ち出すものと、その後の生活用とに分けて準備すればより安心だ。

 持ち出し袋について「押し入れの奥にあり取り出せなかった」「車にも入れておけばよかった」「子どもが大きくなり不要なのにオムツをたくさん入れたままだった」という事例も。西さんは「衣替えの時期に一緒に見直す習慣をつけるのがいいのでは」と提案する。

 ◆転倒防止対策と配置

 室内で地震に遭えば、家具は凶器にもなる。転倒防止について福岡市消防局防災センターの消防士長、東島浩平さん(39)に聞いた。

 主な方法は(1)L字金具で壁に固定(2)天井との隙間に突っ張り棒を設置(3)家具の底に粘着マットを敷く-。ねじで固定する(1)が最も効果があるが、壁に穴を開けられない場合は(2)と(3)を同時に施せば効果が高まるそうだ。いずれも量販店などで購入できる。

 今すぐできる方法もある。家具の上に段ボール箱を載せると、突っ張り棒のような働きをするという。「箱は空でいい。できるだけ天井との間に隙間ができないサイズを選んで。丸めた毛布でも代用できますよ」と東島さん。棚やたんすは下の方に重いものを入れた方が倒れにくい。収納の仕方にも心を配りたい。

 家具の配置にも工夫がいる。特に寝室では、寝ている間に倒れても、家具が頭や体に当たらないようにしておこう。倒れた家具が出入り口をふさがない配慮も必要だ。東島さんは「災害から時間がたつにつれ危機感は薄れていく。定期的に備えをチェックすることが命を守ることにつながります」と呼び掛ける。


=2017/04/08付 西日本新聞朝刊=

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