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「活躍することを恐れないで」 東京で世界女性サミット 指導者を増やすために 秘訣は 阻むものは

食事をしながら意見を交わす参加者たち
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若手起業家の話を熱心に聞く学生
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坂東真理子さん
坂東真理子さん
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 女性ビジネスリーダーらが一堂に会する「世界女性サミット(GSW)」が11~13日、東京都内で開かれた。日本では初めての開催。指導的地位の女性をどう増やしていくかを議論し、若い世代に「活躍することを恐れないで」とメッセージを送った。

 GSWは、世界経済における女性の地位向上を目的に1990年に始まった。世界的企業の経営陣や政府高官、中小企業経営者らが交流する「女性版ダボス会議」とも呼ばれる。

 今回は、指導力や起業家精神の育成、キャリア支援に関する23の分科会などがあり、62カ国の約1300人が参加。未来のリーダー候補として国内の女子学生20人が公募で選ばれ、招待された。

 世界で活躍する秘訣(ひけつ)について、ファッション業界の分科会に参加したデザイナー・コシノヒロコさんは「自然と共生してきた日本の精神を具現化し、ヨーロッパの思想を覆したからこそ生き残れた。ぶれない自分の軸を持つことが大事」と指摘。自分にない能力は、外部の力を借りることで補えるとアドバイスした。

 別の分科会では、フィリピンの企業の最高経営責任者(CEO)が「まだ自分の得意分野が分からなかった時、与えられた仕事をためらわずに引き受けたことが今につながっている」と振り返った。一方で「同じ能力の男女に管理職昇進を勧めると、男性は喜ぶが、女性は『まだ準備ができていない』と考える傾向がある」(杉田勝好・日本マイクロソフト人事本部長)として、自分を売り込む積極性を求める声も相次いだ。

 女性が管理職に消極的な背景には、仕事と家庭を両立する難しさがある。子育て中の女性に配慮し、責任ある仕事を任せない傾向も根強い。経団連の初の女性役員で、英通信大手の日本法人BTジャパン社長の吉田晴乃さんは「シングルマザーで子どもの存在が仕事に不利になると思っていたこともある。毎日、罪悪感でいっぱいだった。でも働く母として罪悪感を持つ必要なんてない」と呼びかけた。

 九州から唯一、GSWに招待された福岡女子大3年の岡坂明日花さん(21)=福岡県小郡市=は「スーパーウーマンだけでなく現実的なロールモデル(手本)もたくさんいて、日本も女性が活躍できる環境が整ってきているんだなと感じ、前向きになれた。女性も男性もしたいことができる社会になるといいと思う」と話した。

 ●成果で評価する仕組み必要 坂東真理子さん GSW国際企画委員・昭和女子大理事長

 日本の働く女性は、まだ「活躍している」とは言えません。特別な女性だけが管理職となる「点」で後続がない。責任を持つ地位に就けるような人材を一定数プールして育て、「線」でもなく、より太い「パイプライン」にしないといけません。

 問題は、男性の働き方と評価の仕方にあります。

 その人の持つ能力や仕事の成果を評価する仕組みが確立していない。そのことが、長時間労働にもつながっている。個人の貢献をきちんと評価できることが、女性はもちろん多様な人が活躍する上で必要です。

 女子学生たちの中には、バリバリ働けるのは特別な能力のある女性で、自分にそんな力があるかしら、と自信のない子も多い。でも初めから自分のやりたいことがクリアに分かっている人は本当に少ない。まずは社会人、職業人としての基礎的な能力を身につける。もがいてもがいて、その先に「自分らしさ」を発見できるのだと思います。(談)


=2017/05/20付 西日本新聞朝刊=

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