九州大のピア・サポーター活躍 学生支え合い バリアフリー 当事者目線のマップ作りやノート代筆

大学側に学内のバリアフリー状況について説明する坂井法仁さん
大学側に学内のバリアフリー状況について説明する坂井法仁さん
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 障害のある学生を学生が支援するピア・サポーター制度に、九州大が取り組んでいる。当事者目線のバリアフリーマップ作りやノートの代筆など、少しずつ活動の輪が広がり、多様な人々を受け入れる意識が育まれている。

 「『坂』と『スロープ』は区別しなくていい。どっちも坂道ですよね」。伊都キャンパス(福岡市西区)のバリアフリーマップを見て、坂井法仁さん(19)は指摘した。階段の横にある車いす利用者用のスロープと、通常の坂が別々の記号で示されている。「情報が多すぎると逆に見にくい。シンプルにした方が分かりやすいと思います」

 昨年入学した坂井さんは生まれつき手と足がなく、電動車いすを使っている。介助員の支えで学校生活を送りながら、自身もピア・サポーターとして、マップの改善などを進めてきた。「同じ車いすでも自走式はちょっとした勾配で困る。自分も気付かないバリアー(障害)がたくさんあると知りました」

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 九大のコミュニケーション・バリアフリー支援室は2014年にピア・サポーター制度を始めた。背景には、前年に成立した障害者差別解消法(16年施行)が公立の教育機関に、障害者の学ぶ機会を保障する配慮を義務付けたことがある。

 サポーター登録した学生は、耳が聞こえない学生のためにノートを取るなどの支援のほか、大学にバリアフリー対策を求める「設備改善報告」を年2回提出している。報告を受けて大学側も、点字ブロックを覆っていた足拭きマットを移動させたり、下り階段の手前に目印を設置したりと改善してきた。

 サポーターは当初の10人前後から50人近くに増加。それでも学業の傍らできることは限られている。日本学生支援機構によると、障害のある学生(短大など含む)は過去10年間で5・5倍に増えている。サポーター代表の重松藍さん(25)は「活動に関わる学生や、支援技術を学ぶ場をもっと増やしたい」と話す。

 活動を通じて重松さんは、バリアフリーの原点にある人権問題にも関心を持つようになったという。学生支援課は「支援する学生にとっても、多様なものの見方を身につける機会になっている」と見守っている。


=2017/10/27付 西日本新聞朝刊=

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