「うんこボタン」4月発売 アプリで乳児の排せつ記録 ワンオペ育児の負担軽減へ「ベビーテック」導入の動き

米国の企業による「スマート靴下」。履いているだけで赤ちゃんの呼吸や心拍の管理ができるのが売りだ
米国の企業による「スマート靴下」。履いているだけで赤ちゃんの呼吸や心拍の管理ができるのが売りだ
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フランスの企業が開発したスマート哺乳瓶ホルダー。タブレット型端末やスマートフォンと連動する
フランスの企業が開発したスマート哺乳瓶ホルダー。タブレット型端末やスマートフォンと連動する
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東京のソフトウエア開発会社「144Lab」が開発中の「うんこボタン」
東京のソフトウエア開発会社「144Lab」が開発中の「うんこボタン」
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 金融などさまざまな分野でITとの融合が進む中、育児分野でもテクノロジーを導入する動きがある。その名も「ベビーテック」。海外ではベンチャー企業を中心に製品化の取り組みが進み、認知度も関心も高くなっている。国内でも専用ウェブサイトが立ち上がった。1人で育児や仕事などをこなす「ワンオペ育児」など負担の大きさへの懸念が絶えない中、ITで労力を軽減化することで、わが子や家族と向き合う時間の増加につながる、と期待されている。

 男性向け育児情報サービス会社「パパスマイル」(東京)の永田哲也社長(45)によると、ベビーテックは「乳幼児から小学校低学年の子育てを支援するスマートデバイス(多機能端末)などの総称」。毎年1月に米ラスベガスである世界最大級の家電見本市「CES」で2016年に初めて登場し、17、18年には専用フロアができたという。

 どんな製品があるのか。パパスマイルが昨年3月に開設したベビーテック情報の専用ウェブサイト=https://babytech.jp/=を参照すると-。

 まずは「フランス発、センサー内蔵スマート哺乳瓶ホルダー」。専用カバーに哺乳瓶を装着すると、センサーによりミルクを飲んだ量を記録するほか、哺乳瓶の適切な角度に応じてランプが点灯する仕組みだ。

 記録はスマートフォンの連携アプリに送信、保存される。ミルクの温度を記録する同様の製品もある。赤ちゃんの飲みやすさが可視化されるため、蓄積されたデータの活用次第では、誰にとってもスムーズな授乳が実現できそうだ。

 赤ちゃんの睡眠時。親にとっては呼吸や姿勢が気になる場面が続く。そんな不安を少しでも和らげてくれるベビーテックとして、モニター付き靴下がある。これをはかせているだけで、睡眠中の心拍数や血中酸素濃度をチェック。もちろんデータはスマホのアプリで見ることができ、呼吸の異常も確認できるという。

 ベビーベッドの上につるすだけで赤ちゃんの睡眠のパターンや時間、室温の情報を把握するカメラのようなベビーテックもある。

 その他、体温計測機能が付いた「スマートおしゃぶり」、母親の心拍数やリズムをデータ化して抱きしめられているように振動する「スマート毛布」などが登場している。

   ◆    ◆  

 国内では、東京のソフトウエア開発会社「144Lab」が、ボタンを押すだけで、アプリでのうんちやおしっこの記録が可能になる「うんこボタン」を4月に発売予定だ。

 乳児の排せつ記録は健康管理のために重要。しかし、おむつ替えなどでせわしない中、いちいち記録するのも一苦労だ。うんこボタンはボタンを押すだけで記録が完了する。さらに「アプリの記録をみんなで見ることで、家族が育児の会話をするきっかけとなり、育児の孤独解消につながれば」(同社)という。

 ただ全体としては、妊娠や育児の記録に関するアプリの開発と普及は進んでいるものの、スマートデバイスとしての発展はこれから。永田氏によると、アプリ市場の活況で収入が増え、子育てしながら開発に関わるエンジニアが増加する傾向があるという。うんこボタンも、16年11月に親となったエンジニア出身の金本茂社長(52)の「こんな製品があればいいね」という一言から生まれた。

 育児の情報提供やアプリ開発を手掛ける「カラダノート」(東京)の佐藤竜也社長(33)も「テクノロジーの力を借りて効率化できる部分を改善すれば、子どもと向き合える時間が増えたり、子育てを充実できたりすることが期待できるし、そのニーズはある」と話し“子育テック”としての未来に注目している。

=2018/03/13付 西日本新聞朝刊=

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