認知症ケアにアロマ 機能改善や興奮抑制に効果

アロマセラピーのオイルを調合する昭和大医学部兼任講師の神保太樹さん
アロマセラピーのオイルを調合する昭和大医学部兼任講師の神保太樹さん
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 アルツハイマー型認知症のケアに、天然の植物から抽出した芳香成分を含むオイルを使ったアロマセラピーの効果が注目されている。アロマセラピーによる病気のケアを研究する昭和大医学部兼任講師の神保太樹さんは「認知症の人の場合はオイルの香りを嗅いでもらうだけでも症状のケアに効果があります」と話している。

 神保さんによると、アロマセラピーは認知機能の衰えなどの中核症状のほか、興奮などの周辺症状のケアにも利用できる。軽度から中度のアルツハイマー病に対しては、嗅覚を刺激することで、脳の海馬などの活性化を促すという。

 認知機能の刺激には、集中力を高める効果があるレモンとローズマリーを1対2の比率で混ぜたオイルを使う。ほかに、かんきつ系のオイルが利用できるという。神保さんの研究では、図形認識や道具用途の理解などで認知機能を調べるテストで一定の改善のデータが得られた。

 一方、興奮状態になって周囲に暴力を振るったり、徘徊(はいかい)や不眠になったりするといった周辺症状のケアには、ラベンダーオイルのリラクセーション効果を用いる。恒常的に行わず、症状が出たときだけ使う方法もある。

 オイルの香りを発生させるディフューザーと呼ばれる機器には、加熱タイプ、超音波タイプなどがあり、安全面などから自然蒸散タイプと呼ばれるものが使いやすいという。

 アロマセラピーは自宅でも気軽に楽しめる上、介護施設のレクリエーションなどでも利用できそうだ。神保さんは「家族がケアに当たっている場合は、手の指へのマッサージなども効果的。触れ合うことで介護する側の家族にも満足感が得られます」と話す。

 神保さんは注意点として(1)オイルの瓶や機器をのみ込む恐れがあるので、認知症の要介護者の手の届く所に置かない(2)高齢者は皮膚のバリアー機能が弱っており、一部のオイルはアレルギー反応を起こす可能性があるので肌に付いたらすぐ洗い流す(3)香りが合わなくて気分が悪くなったらすぐ換気する(4)アロマオイルで効果があっても、服用している認知症の薬を勝手にやめない‐などを挙げている。


=2013/09/19付 西日本新聞朝刊=

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