はしか、自分の感染リスク知るには 妊娠中はワクチン接種できる?

写真を見る
植山奈実医師
植山奈実医師
写真を見る

 沖縄県で3月以降、はしか(麻疹)の患者が90人を超え、愛知県や福岡県など全国で150人以上の発症が報告されている。ワクチンを2回接種することで予防できるが、世代によって接種していなかったり、1回のみだったりして、免疫がない可能性もある。どんな人が気を付ければよいのだろうか。

 厚生労働省などによると、はしかは感染力が極めて強いウイルス性の感染症。せき、くしゃみの飛沫(ひまつ)感染や空気感染で広がる。肺炎や脳炎などの合併症が起きて命に関わる場合もある。一度発症すると抗体ができ、再びかかることはないとされる。

 予防接種法に基づくワクチンの定期接種が始まったのは1978年10月。当初は1~6歳未満の間に1回の接種だった。しかし1回では免疫が徐々に低下することなどが分かり、2006年度からは1歳と小学校に入る前年の2回になった。

 1回しか接種していない世代のうち、1990年度以降に生まれた人には追加接種が行われ、10~20代の患者は激減した。現在、国内に土着のウイルスはいないが、海外で感染した患者をきっかけにたびたび集団発生している。

 接種回数を整理すると、72年10月1日以前に生まれた現在45歳以上は、予防接種がなかった「ゼロ回世代」。一方でこの世代は、感染して免疫のある人も多い。

 89年度末までに生まれた28~45歳は「1回世代」。ゼロ回世代に比べ、感染したり流行にさらされたりすることが少ない世代だ。沖縄県で3月以降に確認された患者も20~40代が中心だった。

    *    *

 自分の感染リスクを知るにはどうすればよいのか。小児科医の植山奈実さん=福岡市=は「まず母子手帳で接種歴や、はしかにかかったことがあるかを確認して」と呼び掛ける。風疹が「三日ばしか」と呼ばれた時期もあり、混同しないよう注意が必要だ。病院で抗体検査を受けて、免疫があるか確認する方法もある。

 接種歴がなく、はしかに感染したこともない人は、免疫がない可能性が高い。植山医師は「接種をお勧めする」と話す。一方、1回世代で感染したことがないなら「流行している地域に行く場合や、不特定多数の人と接する空港職員や教育関係者などは2回目接種の検討を」とアドバイス。仮に3回目の接種となっても問題ないという。ただし、厚労省予防接種室は「抗体の保有状況を調べると世代間で大きな差はなく、1回世代の全員が必ず2回目を受ける必要はない。本当にワクチンが必要な人に行き渡るよう検討してほしい」と話している。

 幼児期の定期接種以外で接種する場合、費用は医療機関によって異なり、1回1万数千円で自己負担。接種して抗体ができるまで約2週間かかるとされ、2回接種するなら4週間以上の間隔を空ける必要がある。また妊娠中は接種できないため、流行地域に行く前や妊娠する約2カ月前までに計画的に済ませておくのがよい。

 福岡県では16日夕までに、9人の患者が確認された。植山医師は「患者に接触し感染した可能性のある人は、最寄りの医療機関に相談してほしい」と呼び掛けている。

    ×      ×

 【ワードBOX】はしか

 感染すると10~12日間の潜伏期間を経て、発熱などの症状が現れる。38度前後の高熱が2~4日間続いていったん下がるが、再び上がって赤い発疹が全身に広がる。合併症がなければ、症状が現れてから7~10日で回復する。

 海外で流行している地域は厚生労働省のウェブサイトなどで確認できる。流行地域から帰国後2週間程度は、発熱や目の充血などがないか健康状態に注意を払う。同省は、感染が疑われるときは事前に医療機関へ電話で連絡し、指示に従って受診するよう呼び掛けている。

=2018/05/17付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]