変わる雨具の常識 求められるファッション性 ポンチョタイプが定番になったワケ

普通のジャケットに見えるレインウエア。袖を曲げたときに見える裏地のデザインは、バッグや傘とおそろい=福岡三越内の卑弥呼レイン
普通のジャケットに見えるレインウエア。袖を曲げたときに見える裏地のデザインは、バッグや傘とおそろい=福岡三越内の卑弥呼レイン
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福岡三越のレインウエア売り場では明るく華やかなコートが目を引く
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天神ロフトの新商品は、背中のマチを広げるとリュックサックを背負えるぐらいの適度なゆとりができる
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 じめじめして気分が沈みがちな梅雨…というイメージとはまったく逆の、明るく華やかなレインウエア(レインコートなど雨天用の衣類)が店頭を彩っている。大胆な柄物や凝ったデザインなど、普段着ではなかなか挑戦できないものも、レインウエアなら気軽に取り入れられるようだ。撥水(はっすい)性や安全性など機能面も充実し、「雨の日こそおしゃれを」が定着してきている。

 福岡三越(福岡市中央区)1階のレインウエア売り場。赤や緑など鮮やかな色のコートが、売り場の半分ほどを占める。かつては黒や紺など暗めの単色で無地が多かったが、2~3年前から明るくはっきりした色合いのものが増え、今では花柄やツイード柄も並ぶ。表地とフードの裏地が異なる色使いなど、面白いデザインのものも目を引く。

 バイヤーの山口ひとみさん(37)は「雨の日だからこそ明るい色を身に着けて気分を上げたいなど、レインウエアがファッションの一部と捉えられるようになった」とみる。最近はレインウエアだけで雨を防ぐのではなく、傘と併用する着方も一般的。このことも、機能性だけでなくファッション性を求めるようになってきた背景にあるようだ。

 福岡三越内に3月オープンしたレイングッズ専門店「卑弥呼レイン」では、「いかにも雨用」ではなく、見た目は完全に普通のジャケットやスカート、という商品も。途中で雨がやんでも、違和感なく着られるデザインだ。通常の羽織物に見えるフード付きコートは、ベビーカーや買い物袋で両手がふさがりがちな子育て世代にも人気という。

 こうしたコートやジャケットタイプと並び、頭から気軽にかぶれるポンチョタイプもすっかり定番になった。売り場の担当者たちが「きっかけになった」と口をそろえるのが2015年に施行された改正道路交通法。傘差し運転で事故を起こすなど危険行為で繰り返し摘発された場合、安全講習の受講が義務付けられるようになった。

 天神ロフト(同区)でも、カラフルな柄物や自転車の前かごまで覆えるものなど、ポンチョの種類が豊富になってきたという。今年初めて取り扱っているのは、背中部分のファスナーを上げるとマチが広がるコート。自転車に乗ったときなど、リュックサックを背負ったままでも着られ、ポンチョよりフィット感がある。

 ●自転車運転は要注意

 傘ではなくレインウエアだから自転車運転は安全、というわけではない。

 国民生活センターが2015年に行った調査によると、自転車運転時にレインウエアを使う1147人のうち、過去5年以内にレインウエアが原因で危ない思いをした人は36.4%に上り、5.2%はけがをした。理由は「周りが見えなかった」「雨具が巻き込まれた」などが多かった。

 防災用などのレインウエアメーカー「アーヴァン」(福岡市南区)常務、大石亮則さん(43)は「水が浸入しないことはもちろん、安全面にこだわっている」と語る。特に自転車にお薦めなのは、フード部分が左右約14センチずつ透明になっているタイプ。実際にかぶって視界を確認して改良を重ね、透明部分の幅を広げた。フードは面ファスナーで頭部の大きさに合わせて調整でき、左右を見回しても視界が遮られにくい作りになっている=写真

 同センターは注意点として、(1)裾やひもが駆動部に接触していないか確認する(2)前かごまで覆うロングポンチョは、強風の日には使わない(3)首を動かしたときに視界が遮られないようにフードを正しく調整する(4)収納袋を前かごに入れる場合、袋のひもが前輪に巻き込まれないようにする-などを挙げている。

=2018/06/12付 西日本新聞朝刊=

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