大学の性的マイノリティー APU、環境整備進める 大分・別府

性別を問わずに利用できるトイレの前に立つ乾さや子さん。使いやすく分かりやすい表示を検討している=大分県別府市の立命館アジア太平洋大
性別を問わずに利用できるトイレの前に立つ乾さや子さん。使いやすく分かりやすい表示を検討している=大分県別府市の立命館アジア太平洋大
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 大分県別府市にある立命館アジア太平洋大(APU)は昨年12月に「性の多様性に関する基本方針」を策定し、基本的人権の観点から多様性を尊重すると宣言した。性的マイノリティーの学生が安心して学生生活を送れるように環境整備を進めている。

 基本方針には、性的指向や性自認を理由に不利益な扱いをされることや、不快な思いや苦痛を受けることがないように環境を整えることなどが記されている。

 併せて、成績証明書や在籍証明書に性別欄を設けない▽健康診断や宿泊行事への個別対応▽性別を問わず利用できる個室トイレの設置▽入寮の際の配慮-など具体的な取り組みも示された。トイレは既存の多目的トイレを活用し、寮は以前から性別に関係ないフロアがあったという。

 国籍や文化が異なる学生が多くいて「もともと相互理解を大事にしており、性の多様性に目を向けることも自然な流れだった」(スチューデント・オフィス課長補佐の乾さや子さん)という面ももちろんある。

 ただきっかけは、3年ほど前。当事者からの相談や学内の講演会でLGBTを取り上げたいという要望が寄せられるようになった。そこで学生や教職員にアンケートを取り必要な支援を探ると、情報発信やトイレ、男女以外の性別欄などに関するものが多く挙げられた。

 策定に当たっては1年ほどかけて全教職員に丁寧に趣旨を説明。身近なテーマとして受け止めてもらい、理解を得ることを大事にしたという。

 当事者から「特に何もしてもらいたくない。そっとしておいて」との声もあった。乾さんは「押し付けるものではなく、必要とする人が安心して利用できる制度でありたいし、今後も必要な取り組みを考えていきたい」と話した。

=2018/09/13付 西日本新聞朝刊=

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