注文をまちがえるめんたい屋さん 認知症の女性ら11日 福岡で福祉イベント 「まぁいいか」って笑える社会がいい

お客さん役の学生(右)から笑顔で注文を取る練習をするお年寄り=2日、福岡市博多区の「ケアスタ福岡」
お客さん役の学生(右)から笑顔で注文を取る練習をするお年寄り=2日、福岡市博多区の「ケアスタ福岡」
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 たとえメニューを間違っても、まあいいか-。認知症のお年寄りが接客を務めるめんたい茶漬け店「注文をまちがえるめんたい屋さん」が11日、1日限定で福岡市にオープンする。同市が主催する介護福祉イベントの一環で、主体となるのは介護職を目指す学生たち。認知症や障害のある人でも少しの配慮や支援で「働き場」がつくれることをアピールするとともに、ちょっとした間違いを笑って許容し合える社会を目指す。

 イベントは、介護人材の合同就職面談会を兼ねた「福岡福祉フェス」。福祉の仕事を広くPRする目的で各種団体が協力し、定期的に開いている。同店は東京で2017年に限定オープンして話題を呼んだ認知症当事者らによる「注文をまちがえる料理店」を参考に企画。今回は、介護福祉専門学校など14校でつくる「福岡県介護福祉士養成施設協議会」が運営する。

 学生たちの“同僚”となるのは、市内のグループホームなどを利用し、認知症の症状がある80~90代の女性6人。メニューは「焼めんたい福だし茶漬け」(ドリンク付き)の大盛り(500円)、普通盛り(400円)、小盛り(300円)で、地元のめんたいこ製造・販売「ふくや」やJA全農ふくれんが材料を提供する。学生は主にメニューを準備し、お年寄りはホールスタッフとして注文を取り、接客をする。

 2日、同市博多区でリハーサルがあり、学生たちはお茶漬けの試食後、高齢女性のうち2人と顔合わせ。笑顔で自己紹介したり、注文を取る練習をしたりして交流を深めた。高齢女性の家族も出席し、学生に「今言ったことを覚えてないことも多いけれど、一瞬一瞬を生きていることを理解してほしい」と語り掛けた。

 福岡医療秘書福祉専門学校1年の足立有美佳さん(19)は「認知症があっても、できることはいっぱいあることを知ってほしい」。協力団体の一つ、「福岡福祉向上委員会」代表の大庭欣二さん(52)は「当事者の方々が、今この時が幸せだと感じてもらえればうれしい。またこうした人の心に寄り添うことが、介護職の大事な仕事であることを学生たちにも、お客さんにも伝えられたら」と願う。

 会場は福岡市・天神のレソラホール。11日午後1時半、2時10分、2時50分、3時半から各30分間の入れ替え制。予約で埋まっているが、当日席も若干用意する。

=2019/02/07付 西日本新聞朝刊=

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