僕は目で音を聴く(3) 片言で話す人は外国人?

僕は目で音を聴く(3) 片言で話す人は外国人?(平本龍之介)
僕は目で音を聴く(3) 片言で話す人は外国人?(平本龍之介)
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 聴覚障害者の発声は十人十色です。全員がうまく発声できるというわけではありません。全く発声ができない人もいて、個人差があります。私はどちらかというと、うまくない方だと思っています。

 私はよく、外国人と間違えられます。発声がうまくない、片言に聞こえる、イコール外国人、という先入観が生まれやすいのではないでしょうか。

 例えば、東京の秋葉原で目当てのお店の場所が分からなくなり、偶然通りかかった若い日本人の青年に、道を尋ねたことがありました。

 「すいません。○○のお店はどこにありますか?」と声を出して聞いてみたところ、青年は焦った様子で、何かを言っていました。でも唇を読んでみても、解読不能です。

 「私は聞こえないので、書いてもらえますか?」。紙とペンを渡すと、そこには英語が書かれていました。彼がしゃべっていたのは英語だったので、なおさら私には分からなかったのです。私がいたずら気持ち半分で「I am Japanese(私は日本人だ)」と書いてみせると、青年は「ごめんごめん」と、ばつが悪そうに笑っていました。

 東京や福岡でも同様に、私はよく「コリアン?(韓国人?)」と聞かれます。「ノー、アイ アム ジャパニーズ」と答えると「うそばっかし」という顔をされたこともあります。

 そこで誰かに話しかけるとき、必ず最初に「私は耳が聞こえませんが」をつけ加えるようにしていますが、これでも英語で返ってくることがあるのです。

 毎回こういう調子なので、自分でもマンネリ化してしまって、半ば諦めているような状態です。同じ日本人なのに外国人だと思われるのは、やっぱり寂しい気持ちがします。

 発声が下手なのは「外国人だから」ではなく、もしかしたら耳の聞こえにくい障害がある人なのかもしれない-。ちょっとだけそんな想像力を働かせてくれればうれしいなあ、と考えています。(サラリーマン兼漫画家、福岡県久留米市)

プロフィール 本名瀧本大介、ペンネームが平本龍之介。1980年東京都生まれ。2008年から福岡県久留米市在住。漫画はブログ=https://note.mu/hao2002a/=でも公開中。

=2018/04/19付 西日本新聞朝刊=

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