僕は目で音を聴く(38)ちょうちょマーク ご存じですか

僕は目で音を聴く(38)ちょうちょマーク ご存じですか(平本龍之介)
僕は目で音を聴く(38)ちょうちょマーク ご存じですか(平本龍之介)
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 「ちょうちょマーク」をご存じでしょうか? 聴覚障害者が自動車を運転していることを示す標識です。

 このマークを付けた車を見たら、警音器を鳴らしても運転手が危険を認知できない可能性があるので、十分な車間距離を取って、必要に応じて徐行や減速をしましょう-という意味です。幅寄せや割り込みが禁止されており、処罰の対象になるので気を付けていただければ。

 あくまで「補聴器を着用しても周りの音が聞こえにくい、聞こえない」方を対象しているマークで、私のように補聴器を着けていれば若干、聞こえる人は付けなくてもいいことになっています。でも周囲に「私は聞こえません」と知らせる目印になるので、私はマイカーに常に付けています。

 万が一、運転中に大地震みたいな災害があって動けないときに、誰かの助けが必要になることもあるかもしれませんし、障害者用の駐車場に止めるとき、そのマークを見ただけで周りに分かってもらえますので。

 実は補聴器を使っても聞こえない人は2008年5月まで、普通自動車の運転免許は取得できませんでした。思い返せば、私が免許を取りに行った自動車学校で、後ろから声を掛けられ、聞こえたら手を上げるというテストがあったものです。今はちょうちょマークができたので、そのテストがなくなったのかもしれません。

 ただ残念ながら、マークは広く普及しているとは言えません。ろう者の中でも、聞こえない障害があることを周りにアピールするのが好きではない人もいます。「デザインが好きじゃない」という声も聞きました。何より、車には誰もが知っている初心者マークのほかに、高齢運転者用が2種類、身体障害者用などもあり、正直「これ何のマークだったっけ」と戸惑うこともあります。ちょうちょマークも知ってもらうことが理想ですが、せめて、さまざまな配慮を必要とする運転手がいることを、少しでも意識してもらえればありがたいです。

(サラリーマン兼漫画家、福岡県久留米市)

 ◆プロフィール 本名瀧本大介、ペンネームが平本龍之介。1980年東京都生まれ。2008年から福岡県久留米市在住。漫画はブログ=https://note.mu/hao2002a/=でも公開中。

※平本龍之介さんによる漫画「ひらもとの人生道」第1巻(デザインエッグ社発行)が好評発売中!

=2019/02/14付 西日本新聞朝刊=

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